番外:年甲斐もなく大喧嘩7 ページ50
『私を助けようとこの建物に入ってトラップに引っかってくれれば良し。クリアしてしまった際や...万一要求が通った場合は難癖つけて人質を始末して、警察に責任を負わせれば...マスコミは黙ってないでしょうねぇ』
「...はっ、そこまで読めたのに、随分余裕だな?」
くっ、と笑った成田は立ち上がると、腕組みをしてAを見下ろす。
『ええ、残念ながら、彼は来ませんから』
「...何故言いきれる?」
『結構派手な組織だったと聞きましたけど...実行犯がこんな小物ばかりでは、彼レベルの人は現場に来ません』
「てめぇ!さっきから言わせておけば!!」
先程から簡単にキレる部下の1人が拳を振り上げて走り出すより先に、ガチャりと彼女に向けられた成田の拳銃。
『...お持ちなのは、それ一丁でしたっけ?』
「...ホントに全部聞いてたのか。アレ以来密輸も簡単じゃ無くなってな」
彼らにとって、訝和不在よりも、組織壊滅自体が不利益であって、恨みに発展したようだ。
「俺らみたいな組織相手にすんのは、公安なんだろ?自分の女1人助けにこねぇとは、とんだ腰抜けだったな」
『いえいえ、違いますって。自らが出ずとも、この事件を解決する自信があるから、ですよ?』
「...口が減らないとは、余程殺されたいらしいな」
まぁ、お前が死んでもフルヤにダメージは与えられるだろ、そう言って安全装置を外そうと、成田が左手を拳銃に伸ばした時だった。
今まで床に座っている状態だったAが、突然すくっと立ち上がる。
「!?何だ?やる気か?」
『まさか。流石にこの近距離でそんな事しませんよ...私はね?』
「っは?」
『あぁ、そうそう、丁度そのくらいの高さに持ってきて貰えると狙いやすそうです』
訳の分からぬ事を言う彼女の心臓部の高さへと銃口を向けた瞬間、手に走る熱。
「っ!?なに!?」
パリン、と僅かな音を立てて、窓ガラスを突き破って飛んできた弾丸が成田の手から拳銃をはじき飛ばしたのだ。
カラン、と落ちたそれを、すかさず彼女がドア付近へと蹴り飛ばす。
『ね?だから、降谷捜査官が来なくても、この事件は解決するって言ったじゃないですか』
「...お前、」
『
へらり、と彼女が笑ってみせたのと、ドアが音を立てて開かれたのは同時。
「警察だ!!」
「両手を上げて投降しろ!!」
「「っ!!」」
「.......」
拳銃を構えた捜査官達にあっという間に囲まれた3名は、為す術もなく。
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MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時