番外:年甲斐もなく大喧嘩5 ページ48
「!了解!!」
「伊達さん?どうかされました!?」
捜索班に加わっていた佐藤・高木はスマホを耳に当て何やら話をしていた伊達の表情が明るくなった事に、捜査に進展があったのかと駆け寄る。
「指揮官様からの連絡だ!奴らの居場所が特定出来たってな!」
「!じゃあ!!」
「おう、今から向かうぞ!サイレン鳴らせねぇが...いけるか?佐藤」
「勿論です!」
覆面パトカーに乗り込み、運転技術の高い佐藤がハンドルを握る。
過去も含め彼女に世話になっているのは、この捜査に携わっている警察官全員だ。
必ず助けてみせる、そう強く思って、佐藤はアクセルを踏み込んだ。
.
「はっ...自分の前に他人の心配か...大した女だ」
『ありがとうございます?』
「てめぇ、ふざけてんのか!?」
「よせ...答えてやるよ、5人共ちゃんと生きてるさ」
その5名の女性達は別部屋に囚われているようで、今ここに居るのはAと成田、その部下らしい男が2名。
『そうですか...なら良いんですけど』
「?何が気になる?」
『いえ...貴方達の要求が万一通っても、人質6名は殺す気だと思ってたもので』
「!?こいつ、」
部下の1人がAに近づくと、その胸ぐらを掴む。けれど彼女がそれに怯むことは無く、成田はとある可能性に気付いた。
「...アンタ、話聞いてたのか?」
『はい?あぁ...貴方達の本当の目的が、元主犯サンの釈放ではなく...降谷捜査官への復讐だって、話の事ですかね?』
声は何処までも呑気なそれ。
けれど、彼女の表情はーー目が細められ、口角がゆるりと上がっている、挑発的なもので。
「...何?アンタ、ただのOLだって聞いてたんだけど...何者?」
『あらら...それはそれは、出来の悪い部下さんをお持ちのようで...』
「てめぇ!成田さんに向かって!」
「いいからお前は下がれって」
そう言って部下と入れ違いにAの前へとやってきた成田は、目線を合わせるように屈んだ。
彼女からしたら、盗聴器に音声が届きやすくなっただけの、ラッキーな展開でしかないのだが。
『まぁ、私が何者かなんてどうでもいいじゃないですか。問題なのは、私の...ええと、推理?が合ってるかどうか、でしょう?』
「...ふぅん?」
なら言ってみろよ、そう顔を歪めて吐き捨てた彼は知らない。
まんまと彼女の思惑にハマった事に。
527人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時