番外:大怪盗にこんにちは2 ページ35
『...いいですよ、私の顔、貸しても』
「へ?」
『その代わり、目当ての宝石じゃなかった時...私の職場まで返しに来て下されば』
ふふっと笑うその顔は綺麗だし可愛いぜ!?けど、ちょっ、どういう握力してんだマジで!!
「それは有難いお言葉ですが...ご職業は何を?」
『警察庁で会計事務を』
あ、ダメだこれ、手出しちゃダメなやつだった。語尾にハートでもつく勢いでにこりと笑ってくるけど、これ確実にキッドのファンではないな。というかむしろ、なんか...恨み買ってる!?
『被害総額387億2500万...』
「え」
『というのはあくまで貴方が盗んだ宝石の値段ですから、私には関係ないんですが...』
「(...もしかして)」
『それに貴方、殆どの獲物を返却しているそうなので、それで利益を得ているわけではないのと、何か事情があって窃盗なんて働いているようですけど』
「(...窃盗て)」
『貴方が出没すると、死人までは出ないですが毎回パトカーが何台がおジャンになったり、ガソリン代やら捜査費用の請求やらが細々細々上がってくるんですよね、何しろ派遣される捜査官の数が半端ないもので』
「...ええと、」
『貴方は知らないかもしれませんが、駆り出されるのが捜査二課の人間だけとは限らないんですよ、それに忙しすぎると警視庁の会計課からも応援要請来ちゃって。隣なんで』
「......」
『あと今のところ問題ないからいいですけど、もし盗んだビックジュエルが貴方の目的の物だった場合、その被害額は誰が責任とればいいんですかね?警察?探偵?持ち主の泣き寝入り?とにかく馬鹿みたいな金額の請求書が上がってきた暁には...いや、そうなる前にもうこの手で貴方を捕まえるしかないかなって』
「......」
『おいちょっと聞いてる?なんとか言ってください』
「...ご迷惑おかけして申し訳ございません」
怖ぇえええええ!!!何だこれ氷の微笑!?いや嘲笑!?絶対零度!??美人が怒ると怖いとか聞くけど極めすぎだろ!!
察するに警察連中が彼女に頭が上がらない...いや、信用しているだろう事は分かったけど、これはリスク高すぎだわ、なりすまし計画破棄ーーー
『...?というか貴方、こうして近くで見ると結構若いですね...高校生くらい?』
「っ!(おわっ、ちょっ、近っ!!)」
手を離してくれたのはいいが、ふ、と両手で顔を掴まれて覗き込まれる。肌がもちもち、とか言いながらほっぺペチペチすんのやめて!!!
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MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時