番外:降谷零の独白1 ページ21
岡本Aの第一印象は、口煩そう、だった。いや、校内で喧嘩した俺らが悪いんだろうけど。あと、俺と松田の拳を簡単に受け流したのも、女にしてはやるな、とは思った。
何でも、本気で警察官になりたかったらしく陸上と同時に合気道もやっていたんだとか。あれなら割と膝に負担をかけずに済むから、結果的に今でも使っているらしい。
...いや、合気道は別に胸ぐら掴んで背負い投げするものじゃないんだが、あぁ、彼女は本気で目指していたんだな、とそこは好感が持てた。
あとは、夢を絶たれたのにも関わらず、別の道を明るく突き進んでるところとか。
けれど多分、俺(達)が彼女に興味を持った決定的な瞬間は、入校して比較的間もない頃の、昼食時の出来事だったと思う。
当初から、この外見で絡まれる事は多かった。もちろん低俗な煽りにいちいち返していたらキリがないから、スルーする事も多かったけど。
ある日、とある同期が絡んできたかと思えば、こう言ったんだ。
「そんなに警察官になりたいなら、アメリカンポリスにでもなってろよ!」
「っ、お前、」
「やめろ、ヒロ」
同じテーブルに座っていた伊達、松田、萩原も、イラッとしてくれたみたいだけど、えっと、誰だっけ、コイツ。まぁいい、とにかくこの程度ならスルーだ。というかどちらかと言えばアメリカンじゃないしブリティッシュだし。
「何だよ、言い返せねぇのかよ!ならさっさとこの日本から出て行k...」
『あっ、ごめんなさい!!手元が狂っちゃってっ!!大丈夫ですか!??』
言い終わる前に彼が頭から被ったのは、昼食のトレーに乗っていたコップ1杯の水だった。
多分今、俺たち同じ顔してる。擬音語で表したら、ぽかーん、って感じで。だって、あの岡本が?所謂優等生ってやつで、喧嘩なんてしないと思ってた、岡本が。
「なっ、お前、何すん、」
『だからぁ、手元が狂ったって言ったじゃないですか。せっかく気分良くご飯食べようと思ってたのに、何だか低俗で下らない煽りが聞こえてきたので、思わず』
彼が振り返り息を飲んだのは、極力申し訳なさそうな声色とは裏腹に、彼女の顔が絶対零度みたいな(後でヒロが氷の嘲笑って言ってた)、とにかくそのギャップがヤバくて、固まったからだと思う。顔、怖いわ。少し、綺麗だなとか思ったけど。
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MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時