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ちらりと隣を見ると「ん?」と夏油が首を傾げる。
『ううん、なんでもない』
いつもの夏油に戻ってくれてよかった、なんて話したらきっと笑われる気がしたから心の中に留めておいた。
あの時は本当にどうしようかと思った。
もし五条が来てくれなかったら本当にあのまま…
「そういえば悟、今日いなかったね」
『えっ?あ、うん。そうだね』
まさか夏油も知っているとは思わなくて少し動揺してしまった。
確かに、彼の言う通り五条の姿は朝から見えなかった。
ちょっと聞きたいことがあったけれどやっぱりいいや。
「呑気な悟が朝からいないなんて珍しいね」
『どうせデートでもしてるんじゃない?』
「気になる?」
『いや?少し前の私なら物凄く気になってたかもね』
でももう私には関係のないこと。五条には五条のプライベートがあるんだから私が気にかけるようなことじゃない。
そう頭では理解できているはずなのに、この釈然とした気持ちは何故なのだろうか。
『あ、ここだ。ちょっと待ってて』
お店に着き、今回の目的である【買っておきたかった物】を購入して彼の元に戻る。
「目当ての物は買えたかい?」
『うん!』
「それは良かった。誰のプレゼントなの?」
『あれ、私プレゼントって言ったっけ』
「いや?A、自分じゃ気付いていないかもしれないけど凄く嬉しそうな顔しているよ。余程その人のことが大切なんだね」
慌ててほっぺたを触ると無意識のうちに口角が上がっていて、自分がにやけていたことに気付く。
なにこれ、めっちゃ恥ずかしい奴じゃん。
相変わらず夏油の洞察力は鋭い。
『…うん、ムカつくけど私の大切で特別な人なんだ』
こんなこと伝えたら貴方に笑われるかな。
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時