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咄嗟のことで声が出ない。





どうして、こんなこと…








どんどん近づいてくる夏油に



何も抵抗できないまま硬直していると、









 
 
 
 
 
 
 
「……何してんの?」









とてつもなく低い声が後ろから聞こえた。









「悟…」






と、呟いた彼は私から手を離し、私の後ろに目を向けた。




振り返ると、腕を組んでドアに寄り掛かる五条が視界に入った。









「何したんだって聞いてんだよ」




「……」








夏油はだんまりだ。




不思議そうに自分の手を見つめては気難しい表情をしていた。









『げとう…?』





「もういい」






「来い」と有無を言う暇もなく強引に腕を引っ張られて、夏油から遠ざかって行く。







夏油は突っ立ったまま、悲しそうに、哀れむように、そんな目で私と五条を見つめていた。






その姿を見てどうすることもできなかった私は、手を引かれるがまま遂には五条の部屋に閉じ込められた。









『うわっ!』







強く背中を押されて部屋の隅に頭をぶつけそうになる。




文句を言ってやろうと思ったけど、威圧的な五条の姿を見て思わず息を呑んだ。









「何考えてるわけ」







五条の冷たい声が耳に響く。









『…別に』




「お前、何されそうになったか分かってねぇの?」






『……っ、分かってるよ』









私だってそこまで馬鹿じゃない。





夏油が私のこと気にかけてくれたり、よく見てくれていたり。



そんなこと分かってる。






…でも、そんなのあり得ないよ。



だって夏油だよ?









「分かってんなら抵抗くらいしろよ」



『急だったから出来なかったの!』





「だからって、もし俺が来なかったらされてたかもしれないだろ」







なぜか怒鳴られる。





どうして五条がこんなに怒っているのか、私には意味が分からなかった。









『…別にどうにもならないよ』









苦手だ。




その確信をついている目が。






私は五条の視線から逃れるように目を下に背けた。









「それ本気で言ってんの?」









五条は呆れたように笑った。








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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
- えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時

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