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『いって』
生憎、今日は朝から任務だった。
その任務で頬を掠めてしまった私は消毒する為に、医務室に行くことにした。
『失礼しまーす』
と扉を開ける。
するとベッドの端に座って俯いている夏油が見えた。
任務帰りなのだろうか、所々返り血がついていた。
『夏油?』
彼に声をかけるとバッと顔をあげて私と目を合わす。
彼は驚いたように私を見る。
『大丈夫?』
私は夏油の隣に座る。
「久しぶりだね」
『長期の任務だったんでしょ?お疲れ様』
「ああ…」
そう返す彼はどこか元気がない。
任務中に何かあったのだろうか。
『とりあえず着替えて来な。返り血ついて気持ち悪いでしょ』
私は着替えの服を用意して彼に渡す。
「…Aが着替えさせてくれないかい?」
『えっ……うん、分かった』
そんな悲しそうな顔しないでよ。
調子狂うじゃん。
私は少し動揺しながら、彼のシャツのボタンを一つ一つ外していく。
シャツの隙間から見える肌に少し鼓動が早くなる。
なんとか平然を装ってタオルで血を拭き取る。
『痛くない?』
「……」
『夏油?』
何の返事もないのを不思議に思い、彼の顔を覗き込もうとすると思いっきり抱き締められた。
腰に手が回り私を優しく包み込む。
『ちょ、夏油っ』
「…すまない、少しこのままでいさせて」
なんて弱々しい声で話すから、私は頷くことしか出来なかった。
血の匂いと夏油のいい匂い。
それにドキドキしてしまう。
「鼓動、早くなってるよ」
『へっ!』
突然耳元でそんなことを言い出すから更に鼓動が早くなる。
『だ、だだだってこんなの慣れてないんだもん』
「Aは
『そ、そう?』
「本当、すぐ食べられてしまいそうなくらいに」
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時