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午前8時半。
いつの間にか横で寝ていた彼を起こさないようにベッドを出る。
身支度を済ませたあと冷蔵庫にあったもので簡単な朝食を作っておく。
食べるかどうかは彼が決めればいいので家に来るたびに作るのも決まりになっていた。
机の上に置かれた鍵を閉めてオートロックを出る前にあるポストに入れておく。
すっかり朝になった街を駅へ向かい歩き始める。
この時間の電車は通勤客ですしずめ状態だが渋谷にある学校までは2駅だ。
駅に着くと目的の電車はすぐに来た。
昨夜とは逆回りの山手線に揺られ、大勢の人に押し出されるようにして降りる。
外に出て学校の時間まで駅前のスタバで朝食代わりのソイラテを飲みつつ彼との夜を回想する。
いつのまにか変わっていたボディソープ、明らかに数が減っていたアレ、私が部屋に入った瞬間消えたスマホの画面。
考えてはいけないと思いながらも気になってしまう。
(昔はもっと大事にしてくれたのになぁ、)
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作者名：ゆ | 作成日時：2021年10月10日 22時
