【WT】恩人からの愛が重い【実況者】

村娘1 ページ3

ここは城下町から離れた静かな村。住人は30人程で、事件もなく平和に暮らしていた_____



筈だったのに



『(何が起こったんだろう…)』


目覚めると、Aは手足を縄で縛られていた。口と目には布で覆われており、話す事も見ることも何も出来なかった。

頼りになるのは耳だけ


耳を澄ましていると、同じように拘束されている人の声や物音、そして犯人らしき声が聞こえてくる。


住人からは声にならない泣き声と、鼻をすする音。もがいて拘束を取ろうとしている音が。

犯人からは

売買人「こいつらいくらになるかな？」


売買人2「女子供を10人連れてきたから…大体300000ポルクってところだろ」


売買人3「おお！！その金でまた楽に暮らせるな」

という声が聞こえてきた。


しばらくして、村人達が入れられていた馬車が動き始めた。


ﾋﾋｰﾝ!!


売買人3「おうおう！もっと速度上げてくぞー！」


『(誰か助けて…)』


悲鳴も上げれない、何か目印を作ることも出来ない。何か助けを呼ぶ方法はないものかと考えていたその時、馬車が止まった。


突然止まったことの反動で、無造作に置かれていた村人達はゴロゴロと馬車内の端へ寄せられる。


『ﾝｯ!!(痛っー！！)』


Aは反動によって壁にぶつけられた衝撃の痛さに思わず声を上げた。当たった馬車の部分は丁度ささくれが出ており、足からは血が出てしまった。

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