夢をならべて (桃) (ページ40)

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40話ページ40

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side A

重岡「アルバムにさ、入れたいねん。Aと作った曲」

いくつか一緒に曲を作ってきた私たちだけど、それが音源化されたことはまだ一度もなくて。

そんな中、重岡さんにそう言われた時は少し驚いた。

「えっと、嬉しい話やけど…でも…」

プロの作曲家ではないし、それでお金をもらう、となると話は違う。

重岡「名前、考えよ。作曲する時の名前。
本名出したくないやろ？」

「なま、え」

なんだか本格的な話になってきてしまっている気がする。

黙ってしまった私をしばらくじっと見つめていた重岡さんが

重岡「これから先も一緒に曲作っていきたいねん。お願い」

真剣な顔でそう言うから。

「…わかった。上司と相談してみる」

事務所に雇われている身として勝手に判断できることではない。

まずは綾瀬さんに話をした。

綾瀬「いいんじゃない？ていうか作曲家としてだったら別に事務所の許可なんていらないんじゃ…って思うけどな俺は。
覆面作曲家、とか言って重岡の個人的な繋がりで、みたいなこと言っとけばいいんじゃないの」

「そんな適当な」

綾瀬「はは、それにしても作曲かー。すごいな、知らなかったぞ俺」

どうやら綾瀬さん的にはOKらしい。

事務所の偉い方にも話をしたら、本名を出さないのであれば特に問題はない、とお許しをいただけた。

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