傍観者でいたかった【D.Gray-man】7

288.転生前の出来事 ページ38

アレンside





『もぅ、、、疲れた、、、

誰かが死ぬのも

誰かが苦しむのも

誰かが泣くのも



見たくなくて

そんなところにいたくなかったから
私はファインダーになったのに


こんなことなら
エクソシストになってさっさと死んでいった方が
ずっと楽だった、、、、』





そう言って




ティキ・ミックに抱き着いたAに
僕たちは呆然




『仲間がたくさん死んでいくのを
見ているのがこんなに苦しいなんて知らなかった

自分で決めたことなのに、、、仲間が目の前でAKUMAに殺されるのを
見ていることしかできない、、、、』







気持ちが




わかるような気がする





救いたかった命がある




救えなかった命がある





力を持っているから
零れ落ちた救えなかった命の重みで
辛くなる





テ「Aは優しいな」




『優しい、、、？


違うよ


私はただの、、、、卑怯者』









卑怯者だと言うA



だけど今



一番戦って苦しんでいるのは
間違いなくAで





リ「ねぇ、、、アレンくん、、、」





いつの間にか誰もしゃべらなくなった中
リナリーが僕の袖を掴んだ





その手は震えていて
表情も何かを感じたのか苦しそうに歪んでいた





リ「方舟の中でロードが言ってたでしょう？
Aはどうしてティキを殺さないのかって」





ア「そんな事、言ってましたね」




リ「もしかして、、、Aが
ティキ・ミックを殺さなかった理由って、、、、」





これを見るまで



僕たちはAとティキ・ミックが
こんな風に話をする間柄だとは思っていなかった




でも、、、





『私、、、

幸せ者だね、、、、』






もし、、、、Aが、、、、





テ「殺されるって時に
何呑気なこと言ってるの？」







ティキ・ミックに
特別な感情を抱いていたのなら、、、、








『私は、、、幸せだよ、、、

だってティキに殺されるんだもん

AKUMAじゃない



好きな人に殺されるなんて
こんな幸せなことないよね』






ア「A、、、、」






リ「こんなことって、、、っ」






絶対に




叶わない恋





リ「Aはどんな気持ちで
今まで戦って、、、」





僕たちを守るために
好きな人と戦った




どんなに、、、苦しかったんだろう





誰一人として
Aの気持ちに気付いてあげれた人は居なくて





だからこそ余計に
僕たちは無能だと突き付けられた気がした









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