傍観者でいたかった【D.Gray-man】7

252.イヤなの ページ2

リナリーside






塔に向かっている最中




神田が急に足を止めた




みんな何だろうと
不思議そうな顔をしたけど




神田がのぞき込むAの表情を見て
血の気が引いた





リ「Aっ！」





真っ青な顔と冷や汗




医療の事はよくわからない私でさえ
悪いということはすぐに分かった





目を閉じてぐったりはしているけど
意識はあるみたいで





ラビが簡単にAの状態を見るけど
やはりいい状況ではないみたい




ラ「これはちょっと
まずいかもしれないさ」





江戸に来る前から
Aは散々戦ってきた



なんども体調を崩してる




本当なら
そんなAには休んでもらって
私たちが戦わないといけないのに




私たちはまだまだ弱くて
ノアを相手にすれば




生きるか死ぬかの戦いになる




Aは優しいから
私たちに傷ついてほしきなくて
無理をして、、、、




わかってたはずなのに、、、




『、、、、だぃ、、じょ、、ぶ、、、、』





ア「どう見たって大丈夫じゃありませんよ」






Aはいつだっていうんだ




大丈夫って




本当は大丈夫じゃなくても
まるで自分に言い聞かせるように
何度も何度も大丈夫って言うんだ






背中なんかじゃなくて
ちゃんと横になって休ませてあげたいのに






『すす、まなきゃ、、、、で、、しょ』







リ「でも、、、っ」






このまま進めば
また戦闘が始まるかもしれない




きっと塔では
ノアが待っているはずだから



みんなが戦い始めたら
またAは無茶するでしょう？





ラ「いや、Aの言う通り
ここじゃ何もできない
早く外に出てじじぃに見せた方がいいさ」





ア「そうですね、急ぎましょう」






休ませたいのに
時間が決まってるから急ぐしかない





また歩き始めた私たち




みんな進むって決めても
やっぱりAが心配で




何度も何度も
顔を覗いてる




神田も表情にはあんまり出てないけど
気にしてるみたい





Aには無理をさせちゃうけど




できる限り早く
ここを出なきゃ、、、だよね







今向かってる先に
ノアが待ってるってわかってるのに




ノアと戦う恐怖よりも




このままAが
居なくなる方が怖くてたまらない






手先が冷たい





震える






イヤだ




イヤなの






これ以上仲間が死ぬのは
見たくない









.

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