五十三片 ページ14
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「⋯A、か」
『無惨、さん⋯何故⋯』
小さく零した彼女の表情を見て、彼は少し目を見開いた後、満足そうに笑う。
『死なないって、言ったじゃないですか』
それはまるで、愚図る幼子の様に、
『私を殺してくれるって、言ったじゃないですか』
それはまるで、縋り付く恋人の様に、
「お前の涙を見るのは、初めてだな」
彼女は生まれて初めて、“悲しみ”から涙していた。
『っえ』
言われて初めて、自身の瞳から流れるそれに気が付く。
その手に滴を掬い、彼女は嬉しそうに笑った。
『涙を流すのは、初めてです。無惨さん、これで私、人間になれましたか?』
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さやか - 期待しています。殺されることを。。ではなく、指輪だったら面白い急展開になりますね。 (2021年2月6日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - 望む事がこわくても、あかねのためにこわれたものを大切にしてくれる無惨がすきです。お気に入りランキング10いです。 (2020年11月19日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら | 作成日時:2020年11月13日 2時