50話目 聖誕祭 ページ50
___『シュトレンに溶かされて』___
街に待ったクリスマス。街中に雪が染められ、まるでスノードームの中に居る気分だ。
その中で一方、サンタさんからのプレゼントを渡す気持ちになりたいと思い、この季節の伝統菓子、『シュトレン』を作りたいと考えた。
一週間前、ラム酒に一年漬けされたレーズンとナッツやイチジクを加えたフルーツケーキに、きな粉砂糖や雪のような粉糖を掛けることで、完成。
そのシュトレンを一週間寝かせることで、ラム酒がより一層沁み込み、しっとりした菓子になるのだ。
そして今日、彼女にプレゼントを渡す時がやってきた。
ci「ふぅ〜作った甲斐があって良かったぁ…。」
……え、なんでチーノ視点の話になってるんやって?聴いてくださいよ、奥さん。メタイ話になるかもしれへんが、ワイの好き嫌いが分からんかもしれへんやで?
こっそり皆にバレたが、努力して作って料理長に指導してもらいながら、マイさんと一緒に食べたいなと思ったからや。
ラッピングはほぼ不器用さが出てるけど、後は味に自信持ってマイさんの元に駆けつけた。
ci「マイさん、これ!メリークリスマス。」
my「メリークリスマス、チーノ様。これは…?」
ci「クリスマスの伝統菓子、『シュトレン』や。一緒に食べへん?」
マイさんは喜んでもらい、あったかい紅茶を用意して、ナイフでカットするとほのかにラム酒が広がった。一口食べると…あぁ、美味えわこれやめらんねぇ。(語彙力
my「ふふっ、チーノ様お口に付いてますよ?」
口周りについた粉糖を拭いてくれる彼女に、思わず心を溶かされてしまった。
『シュトレンに溶かされて』-fin-
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:み〜と | 作成日時:2022年12月23日 19時