裏切り。03 ページ46
自分自身を酷い奴だとは思いつつも仲間の死を見てしまったら動けなくなりそうだった。今は戦いだけに集中しなければ自分が死ぬ。
「行かせない……"
巨人の海兵の顔面に目掛けて突進したが、刀で防がれる。だが、電撃が刀を伝ったようで、巨人の海兵は顔を苦痛に歪め動きを鈍らせた。硬直した巨人の海兵に冷気を纏わせた尾を撓らせて叩きつける。
「ぐぬぅ……！！」
パキパキと海兵の左手が凍て付いた。Aの追撃により膝をついた海兵に周りにいた仲間がわっと駆け寄り、更なる攻撃を加える。
巨人の何分の一の小さな攻撃でも寄せ集まれば大きな威力になり、そう時間も掛からぬうちに海兵は地響きを立ててその巨体を地へと落とした。
「お父さん！怪我は大丈夫？」
「ああ、心配するほどの怪我じゃねェ……それよりも、俺の前から退いておけ」
すぐ背後までやってきていたお父さんに振り返って尋ねる。胸から流れる赤色が痛々しい。本当ならば今すぐにでも船に戻ってナースの治療を受けて欲しいくらいだ。
"退け"といわれてAは眉を下げ、無言のままお父さんの後ろまで後退した。仲間が全員前から退いたのを確認してからお父さんは宙を両手で掴むような仕草をして、そのまま左下へと腕を勢いよく下ろす。
「……っ！！」
ぐらりと大地が、海が大きく傾いた。空を飛んでいるAに被害はないが、不意打ちを喰らった海兵達は突然斜めになった地面に体勢を崩す。お父さんの攻撃を知っている仲間は剣を地面に刺して何とか耐えていた。とんでもない広範囲の攻撃にAは目を丸くする。
驚くAを他所にお父さんは拳を振り上げ、大気を力いっぱい殴りつけた。大気にヒビが入り、そこから放たれた衝撃により地面が割れる。衝撃は海兵達のいる広場を崩し、処刑台諸共背後の町までも破壊した。
「あれ……？」
あれほどの攻撃に巻き込まれたはずなのに処刑台だけはまったくの無傷だ。目を凝らしてよくよく見れば、処刑台の前に三大将が揃って手を前に突き出している。何をやったのかはよく分からないが、お父さんのあの攻撃を防ぐあの人達も恐ろしい。
冷たい汗が米神に伝うのを感じながら、Aはごくりと唾を呑みこんだ。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
