裏切り。02 ページ45
「エースがロジャーの息子だってのは事実……それに最も動揺する男を振り回した……奴らの作戦が俺達の一枚上をいったんだ」
「……！」
誰かがスクアードに嘘を吹き込んだ。この戦いに勝つためだろうが、随分と姑息な真似をする。刺されたお父さんを見て、白ひげのクルーと戦っていたクロコダイルが声を荒げた。
「みっともねェじゃねェか！！"白ひげ"ェ！！俺はそんな"弱ェ男"に敗けたつもりはねェぞ！！」
お父さんは何も言わなかった。傍にいたマルコは顔を顰め、僅かに顔を俯ける。
元々お父さんの体調は良くない。俺が出会った頃からもう管を身体につけていたし、点滴もしていた。それで今まで身体を持たせていたようなものだ。今回戦いのためにナースのストップも押しのけてお父さんは点滴を外した。体調が悪化すると分かっていても、お父さんのプライドがそれを許さなかった。
「スクアード……おめェ仮にも親に刃物を突き立てるとは……とんでもねェ馬鹿息子だ！！」
子供を叱り付ける様な口調だった。スクアードは目の前のお父さんを見上げ、顔を引きつらせる。すとん、と身体を落とし、太い片腕でスクアードを抱きしめた。
「馬鹿な息子を……それでも愛そう……」
やはり、お父さんは凄い人だと再確認させられた。誰よりも素晴らしい信念を持ってる。あの日あの時、怯えていた俺を抱きしめてくれた腕の温かさは今も覚えている。瞳を閉じて静かに息を吐き出した。
お父さんはゆっくりと立ち上がり、両腕に力を込めて大気を叩いた。マリンフォードの両側にあった凍った津波が崩壊し、海へと沈む。
「海賊なら！！信じるものはてめェで決めろォ！！」
氷が壊れたことで退路が出来た。暗かった傘下の海賊達の顔に光が宿る。俺はこくりと頷き、ばさんと翼をはためかせた。この世界で誰よりも尊敬して信じているのはお父さんただひとりだ。
「俺と共に来る者は、命を捨ててついて来い！」
老体とは思えぬ身のこなしで、船首から飛び降り戦いの中へと駆け出した。お父さんが出たことで一気に味方の士気が高まる。雄たけびを上げ、海軍を倒す仲間にAも負けじと海兵を伸していく。
だが海軍もそうやすやすと処刑台へとは向かわせてくれない。巨人の海兵が六メートルはあろう巨大な刀を振り回して、仲間を切り捨てた。
仲間の絶叫が響く。腕を切られたもの、身体を真っ二つにされたもの、恐ろしい光景をなるべく視界に入れないようにしながら、俺は巨人の海兵の前に立塞がった。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
