決戦の地へ。01 ページ35
コーティングが終了し、傘下の海賊も集まった。エースの公開処刑の日。ついにこの日がやってきてしまった。
シャボンディ諸島を出航し、モビーディック号を先頭に公開処刑場所であるマリンフォードに向かっている。モビーディック号は本当の鯨のように雄大に青い海の中を泳ぐ。
船員は緊張した面持ちで各々それぞれの時を過ごしている。武器を磨いたり、あるものはうろうろと忙しなく動き回ったりして皆落ち着きがない。隊長達は船員とは違い、いつもと変わらぬ様子だが纏う空気はピリピリしていて尖っていた。かくいうAも表面上は落ち着き払っているが、内心は気が気でなく、色々考え込んでは顔色を青くしたり白くしたりしている。
モビーディック号の船首に体育座りをしながらAは小さく息を吐き出した。海軍本部には支部とは比べ物にならない強い海兵達が勢ぞろいし、能力者も多数いるとか。白ひげ傘下も能力者は沢山いるが、一体どうなるのか想像もつかない。それに海軍大将の赤犬、青雉、黄猿。それぞれマグマ、氷、光の能力者でその力は強大だという。まだ見ぬ敵を考えてAは身震いした。
「どうなるんだろう……」
そこらのチンピラの喧嘩などではない。大きな戦力同士がぶつかるのだ。双方に多大な被害が出ることは間違いないだろう。そしてその戦いにA自身も身を投じる。この世界に来た頃はこんな事をするなんて思いもしなかった。
戦いも冒険も、何一つ知らなかった。
膝を抱えていた腕を放し、そのまま後ろに倒れこみモビーの大きな白い船首に寝転がる。一面に広がるのは青い海。太陽光が穏やかに海の中に拡散していく。時折立ち昇る気泡が海の中を彩る。
ため息が出そうなほど素晴らしい景色だ。これがただの航海途中で、エースが傍にいるならばどれだけ良かったろう。そっと空へと手を伸ばし、目を細める。
(頑張るよ、頑張るから。待っててくれ、エース……)
胸に誓う。絶対助けると。守れなかった悔しさをバネに今度は必ず。
「何やってんだい」
「……イゾウさん」
視界の上からにゅっとイゾウの顔が入り込んできた。きっちりと固められた髪に差された簪がしゃらりと音を立てて揺れる。戦いの前だというのにイゾウの雰囲気はいつもと変わらない。上げていた手を下ろし、身体を起こした。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
