迎え。02 ページ34
「……で、根掘り葉掘り聞いてどうするつもりなんだよ？」
怖いローの顔も暫く見つめてれば怖くなくな――る訳なかった。さっと視線を反らす。そんなAの様子にローは鼻で笑い、徐にスプーンを手に取り目の前にあったグラタンを食べ始めた。
「お前みたいなのが賞金首とは笑えるな。そんな調子じゃ額も大したことねェんだろ？」
「……あんたにそんな事言われる筋合いねェよ」
馬鹿にされて俺はムッとして言葉を返す。会って少ししか過ごしていない人間に何故そんな事を言われなければならないのか。こんなところで食事を食べるよりも船に戻って食べたほうが幾らか楽しく食事が出来る。
ガタッ――勢いよく席を立った。椅子がけたたましい音を立てて倒れ、店内の視線が俺たちに突き刺さる。傍にいたウェイターが小さな悲鳴を上げて逃げていき、店内にいた柄の悪い男が野次を飛ばす。鬱陶しい男達にギロリと睨みを効かせ、黙らせた。
「あんたと比べりゃ、低いさ！でも、俺は賞金額がどうこうって考えながら海賊になったんじゃねェよ！！」
元から気持ちがむしゃくしゃしていたこともあって、俺は一気にぶち切れた。思い切りテーブルを叩き、正面にいるローを睨みつける。グラスが倒れ、水がテーブルクロスに大きな染みを作った。
「俺は！大切な人を守りたいだけだ！！」
「……その辺でやめとけよい」
ぽん、と肩を叩かれ、聞き覚えのある声が背中にかけられた。ローの視線は俺の横を通り過ぎた場所を見つめ、大きく開かれている。首だけを後ろに向ければ青い瞳と目合った。それと同時に荒れていた心がすっと落ち着いていく。
白ひげの一番隊隊長のマルコの登場に店内が再びざわめく。
「悪ィがこいつは返してもらうよい。うちの大切な家族だからな」
「ああ、構わねェ」
マルコを前にしてもローは平然とした態度で答える。気を悪くした素振りもなくマルコは不敵に笑い、俺に行くよい、と声をかけてから歩き出した。
その後を俺は小走りで追いかける。
「悪かったな」
後ろから短い謝罪が聞こえた。
何だろ、案外悪い人じゃなかったのかなぁ……。
怒鳴ってしまった手前、振り返ったりするのは気まずくて出来ないが、ローの印象を考え直す。また会おうね！なんていうベポの声に気持ちが落ち着いた。
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1(プロフ) - × ×さん» お読みいただきありがとうございます！ここからは展開がとても早くて、もうちょっとでラストです(*^^*) (2021年4月19日 20時) (
レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - 二日遅れてしまいましたけど、読ませていただきました！ここから展開がどうなるのかワクワクドキドキです！ (2021年4月16日 10時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
1(プロフ) - × ×さん» コメントありがとうございます！とても励みになります(*^^*)本日更新致しましたのでぜひ読んでいただけると幸いです！ (2021年4月14日 19時) (レス) id: d447c4ab55 (このIDを非表示/違反報告)
× ×(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます-_-b (2021年4月13日 2時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1 | 作成日時：2021年4月9日 0時
