Love or Lies (ページ47)

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遂に、来てしまった。

『…………』

私の表情は、前より明るいかな。

メ「いいこと、あったんですか？」

『………ふふ、はい。』

メ「とってもいいお顔、されてますね。」

沢山悩んだ。
沢山苦しんだ。

昨日だって、一睡もしてない。
それでいて、後悔はしてない。

私は私でいたいから。
この道は、………………

間違っていないと、いいたいんだ。

母のことはもちろん好きだ。
沢山の愛情を注いでもらったから。

でも、本当は。
こんな結婚、したくない。

いくら大切な母だから、迷惑かけちゃいけない
そう思ったって、

彼の想いと、母への想いは、
格段に違う。

母と離縁したって、
それでもいいくらい、本当は。
一緒に居たかった。

あの2ヶ月を、絶対に忘れない。
それでいて、私は…………

『……バックれちゃっても、いいと思います？』

メ「………そうですねぇ、」

メイクさんは、ファンデーションを塗る手を止めた。

メ「………好きな人と一緒に居ることが、何よりも幸せだと思うんです。

他人に作られる幸せより、自分で作る幸せで、みんな生きて欲しいです。だから私はこの仕事をしています。

皆さん、一人一人自分で作って掴み取った幸せを始めるために、ここに来て、永遠の愛を誓う。

…………でも」

メ「…幸せになれないとわかっているのに、結婚するなんて。そんなの、……私は、出来ないです。」

私が何をしたいのか、
全て分かっているはずだ。

メ「Ｎ様が、A様に想う気持ち、本当に強かったですよ。彼もまた、A様の幸せを願ってましたもん。

その幸せが、自分が作れないものだとわかっておきながら。」

にっこりと笑って、またファンデーションを塗り出した。

メ「私は止めません。」

その言葉が私の心を軽くしてくれた。

父は言った。

「廉くんは、Aの運命の人だね。」

結婚式がみたいよ。なんて言った。
その時父はもう、余命宣告をされていたのに。

「……幸せになるならね、私は廉くんが適任だと思うよ。逆に、何処の馬の骨かわからないやつにAは渡せんなぁ。……またいつか、廉くんに会えたのなら、もうその手は離しちゃいかんよ。」

父はそう言った。
なのに私は手を離した。
ぎゅっと握ってくれていたのに。

もうまた一緒になる気は無い。

でも、これだけは譲れない。