Love or Lies (ページ46)

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『そ………ですか。』

運命って悲しいよね。
Aちゃんも、廉も、
それをわかった上で恋してるんだもん。

好き同士なのに、一緒になれないなんて。

平「……幸せになれる、自信ある？」

『…え？』

平「何個も年上のおっさんと、幸せになれる？」

最後の賭けだった。
ここで逃げたい、というのなら。
仕事を投げたって、君をまた廉の元へと。
連れていくから、だから、

『…………なれる、と思ってます』

髪を耳にかけながら、
切なそうに言った。

『………ていうか、ならないと、廉、許してくれなさそうだから。』

あぁ、そうだった。
高校生の頃も、彼女は廉のことを思って
何も言わずに身を引いたんだった。

いつも、君は廉でいっぱいなんだね。

『……もし、もうないと思いますけど、また会えたなら………お互い笑って肩組んでお酒飲めるくらい。それくらい………………』

ボロボロと彼女の目から涙が零れる。

『………行きますね。結婚式、明日なんで。』

平「………明日、？……」

『…明日なんです。』

平「…どこで、何時に」

『………………言わないです』

平「…言わなきゃ、旦那さんのとこと契約切るって言ったら？」

こんなこと、俺らには出来ないよ。
契約切るなんてさ、

『…………………』

その後小さな声で、
''千葉の方の小さな結婚式場で、3時から。''

と言った。

親族のみの結婚式らしい。
彼女がそれじゃないとやりたくない、と言ったんだ。

『……………来ないでくださいね。自分のことは、自分で解決します。』

平「…どういう意味？」

『……………そのままです。』

『廉を、よろしくお願いします。本当はご飯も食べれてないし寝てないと思います、きっと無理しすぎると思うので、止めてください。ほっとくと冷蔵庫の中身なんもなくて食べずに寝るなんてざらにあります。だからちょこちょこ顔出てあげてください、…………よろしくお願いします。』

深々と頭を下げた。

『………大好きだって、伝えてください。』

そう言ってこちらを見ずに
家路に戻っていってしまった。

その後ろ姿は、

平「……………△△」

あの子を思い出して、
もう廉にはあの思いをして欲しくなくて。

少しだけ、泣いた。