Love or Lies (ページ45)

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廉「………せめて何か書いてでていけよ」

分かってた。
抱いて欲しい、なんてお願いした辺りから。
早く帰れそう、なんて。本当は嘘だ。
待ってるね、の返事が欲しかっただけだ。

それなのに、LINEが帰ってくるどころか、
彼女のLINEは消えてしまった。

置き手紙もなし。
ただもぬけの殻になってしまった我が家。
こんなに広かったっけ。

窓ガラスから煌びやかに光る街を見下ろした。
彼女は言った、

『廉が見る景色ってさ、こんな感じ？』

と。

その横顔が切なそうで、苦しそうで
やっぱり、隣にいると無理をさせてしまっていた。
だから昨日、謝った。

涙が止まらなかった。
本当、申し訳なかった。

きっと彼女はこのままあの男と結婚して
子供を産んで、幸せに暮らすんだろう。

いや、そうであって欲しいと、切に思う
と、同時に。

あのウエディングドレスを、隣で見たかった
そう思う。

沢山夜を迎えた。
彼女が出ていってもう1週間経った。

結婚式は、明日だ。

平「………A、ちゃん」

『……………平野さん、』

廉が昔好きだった子と再会して
一緒に暮らしている、と言っていた。
一緒に居る間、本当に幸せそうで
仕事もいつも以上に励んでいた。

きっとAちゃんなんだろうなって
すぐに気づいて、嬉しくなった。

そんな彼女が今、
目の前にいる。

平「…ここで何してんの？」

『平野さんこそ。』

平「地方でのロケの途中。休憩時間だからぶらぶらしてた。」

『……………なるほど、』

平「で、Aちゃんは？」

賭けてみた。
廉と離れたことは薄々知ってる。
だって、元気なかったもん。

俺頭悪いけど、そういうのは気づくよ。

『…………謝っておいてください』

平「え、？」

『色んなリスク抱えたまま、私を家に置いてくれていたのに、……………こんな最低な出行き方して、って。』

『…ちゃんと笑ってお別れできないと、思ったから。逃げたんです』

『………………元気にしてます？ちゃんと、ご飯食べてますか？』

元気にはしてないよ。ご飯も食べてない、
なんなら寝てもないみたいだよ？

なんて言ったら、きっと悲しむんだろうな

平「うん、元気。」

そう言うと、彼女は泣きそうな顔をしていた。