Love or Lies (ページ33)

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メ「………本当に、お綺麗ですよ。」

『……ふふ、本当、自分じゃないみたいです。』

メ「きっとN様も、ご覧になられたらすっごく喜ばれそうですね。もちろん、旦那様も。」

ドレスを見に纏って、
素敵なヘアメイクをしてもらって、その手の中には花束。

『………この花が枯れたら、忘れようと思います。』

『2番目の、幸せを手に入れます。』

こんなに幸せを願ってくれているんだ。
いつまでも私が泣いてたら、きっと、
彼は喜ばない。

だから、彼のためにも、私は前を向かなきゃならないんだ。それが、きっと………

メ「無理に忘れるのは、良くないものなんです。」

『…え？』

メ「私も、昔好きな人が居たんですけど。既婚者で、何年もかけて忘れました。私がまだ学生で、あの人は、先生で。(笑)10年かけて、忘れました。やっと今、幸せです。」

メイクさんの左手の薬指には、キラッと光る指輪があった。

メ「だから、思い詰めちゃダメですよ。心から旦那様を思える日がくるまで、ゆっくりで」

『………はい。ありがとうございます、』

廉、あなたなら、今鏡に映る私になんて声をかけてくれるかな。可愛い、とか、綺麗、とか。
そんな在り来りな言葉でも、私は嬉しいんだよ。

ねぇ、こんな粋なことするんだったら、
会いに来てよ。連れ去ってよ、
無理やり手を引っ張って、2人で笑って逃げようよ。

私、全部捨てられる覚悟くらい、あるんだよ。
………なんて、アイドルのあなたとは出来ないか。

『私の話、聞いてくれますか？』

メ「恋バナですか？もちろん(笑)」

それから、メイクさんといっぱい話して、
仲良くなった。
メイクさんのお話も沢山聞いた。

友達があんまりいなかった私にとって
こんな話をしたのも初めてだったし、
とっても嬉しかった。

今はまだ、きっとすぐには忘れられないと思う。
それでもいいって思ってる。
結婚したって、私はあなたの事が心から大好きなんだよ。

こんな話をできる人と出会ったよ。
いつかまた会えたら、そう伝えさせてね。

花束、ありがとう

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