Love or Lies (ページ30)

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"誕生日、おめでとう"

すれ違いで離れたあの時、
廉が東京に行ってから初めての私の誕生日

当日に私の家に届いたのは、
花束だった。

相変わらず汚い字でお祝いの言葉、
別れたと思い込ませていた私にとって、
すごく辛くて、だけど嬉しかった記憶がある

だって、
私のこと、まだ覚えていてくれてるんだ…って。

母は、廉と付き合うことを嫌がっていた。
絶対に幸せになれないとわかってて
離れた時も、ほっとしていた。

だからこの時も、母は苦しそうな顔をしていた
だけど、父は違った。

父「おー、それ誰から？」

『…れん、』

父「相変わらずいい子だね。」

『…………うん。』

父はどこまでも優しかった。
私に愛がある、だけどキツい教育だった母に対して
父はいつも母に内緒で沢山のことをしてくれた。

そんな父が大好きで。
廉の話も沢山した。
父はいつもニコニコ笑って、「いつか会いたいなあ」
と廉の写真を見ながら言っていた。

そんな父は、10代の頃に他界した。
丁度彼らのデビューが決まった間なしだったと思う。

父「A」

『ん？』

父「廉くん、デビュー決まってよかったね。」

『………ふふ、ね。嬉しいね。』

父「………後悔、しないようにするんだよ。パパは、2人のこといつまでも応援するからね。」

父「これがパパからの、最後の約束だよ。」

父との会話はそれが最後だった。

『……………ごめんね、約束、守れなかった。』

ー

誕生日の日に渡してくれた花束は、
かすみ草が沢山ある中に、
赤い薔薇が11本。

今回は、
赤い薔薇が……………

『……………9本。』

なんで減ったんだろう、

花に詳しくない私は、
その時、そのくらいにしか思わなかった。

メ「知ってますか？花には花言葉だけでなく、本数も意味があるんです。」

『………え？』

メ「ふふ、きっとＮ様は、わかってA様にお渡しになられたんでしょうね。素敵な方ですね、」

『………あの、本数の意味、って』

メ「例えば、そちらのかすみ草は、"幸福"を、意味して居ます。赤色バラは、ご存知かと思いますけど、」

"あなたを愛しています。"

『え………………』

メ「そして、本数の意味は。」

"いつもあなたを想っています。"

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