Love or Lies (ページ26)

今日:27 hit、昨日:10 hit、合計:46,199 hit

26 ページ26

・

あれから数ヶ月過ぎた。

彼とのあの時間が段々と風化されてく…

はずだったのに。

「…………A？」

『………ん、？』

「なんかぼーっとしてるよ」

『んふふ、そう？』

「どうした？マリッジブルーとか？」

『…………そうかも(笑)』

マリッジブルーなんて初めからないし
そんな不安になるほど将来に期待なんてしてない。
なんなら呆れてる、今の私に。

結局逃げてしまった私に。
どこまで行っても弱かった私に。

あの時、1歩踏み出していれば、
笑っていたのかな。

2ヶ月後、私は結婚する。
もう、誰のものでもない私から、
彼の私になってしまうんだ。

『………………っ』

気晴らしにテレビをつけてみると、
そこに映る彼の姿

猫髭みたいな笑顔で笑って、
あの関西弁で、

私が、世界一好きな表情、

『………………………………ねぇ』

「俺は結婚したいよ」

『………』

「君が誰を好きだろうと、もう離す気は無い。」

『…何言ってんの、(笑)ふふ、変な勘違いしないでよ～』

バレているんだ。
彼の存在を。

いつかバレると思ってたけど。
そうだったんだ。

「………………………」

彼が仕事に行ってから、
たくさんのことを考える

目を瞑ると、彼の顔が思い浮かぶ。
私の名前を呼んでくれる声。
笑ってくれる顔。

もう本当に、本当に大好きなんだよ。
ずっとずっと、これからも。

『……ドレス、せめてみてもらいたかったな、』

きっと、めちゃくちゃ笑って、
可愛いって言ってくれるんだろうな。

『………………迎えに来てっ…、っ、』

いつまでも泣き続ける私は、やっぱり弱かった。