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そう言うと、彼は私のほうに顔を近づけてきた。
この後どうするかなんて、
さすがに私もわかってる、
だけど、最後に。この瞬間、最後に
お願い神様、
私に少しだけ、時間をください。
私も目を閉じて、
そっと彼の温もりを感じた。
背中に回るでも、
後頭部に回るても、
熱が伝わるその唇も、
全部、全部大好きなの。
このまま離さないでって、心が言うの。
でも私は、背中に腕を回すことなんてできない、
私はただ、この時間が終わることを待つことしか出来ないんだ。
だけど、
廉「っ、……………」
服の裾だけ、ちょん。と摘んだ。
初めてキスしたあの日のように。
廉「…………めっちゃ好き。」
そう言いながら私のことをもっと強く抱きしめた。
『…………うん、』
"私も、大好きだよ。"
心の中で呟いた。
廉「…ふふ、うん、うん。」
謎の笑みを浮かべたあと、
彼は私を離した。
廉「じゃあね、バイバイ」
あの時と、同じだった
東京へ行く、あなたを見送れなかった新大阪駅でみたLINE。
駅のど真ん中で座り込んで声を上げて泣いた。
誰に見られようと恥ずかしくなんてなかった。
『…………っ、ふっ、……………』
今度はカフェで泣くのかぁ
そう思いながらももう涙は止まらなかった
声が出るくらい泣いた。
『………れん、れん、好き。大好きだよ…っ』
何時間泣いただろうか。
彼のブログを開くと
"なにかを失うことは、とても寂しいことです。でも、それでも幸せにならないと行けないことだってあるんですよね。人間ムズいわ。"
そう書いていた
店「………廉くんね、ずーーっとあなたのこと惚気けてた。お互い中学生とかの写真を握りしめながら、何度も可愛いでしょって」
店「………………いい人だね、ほんとに。」
『………いい人を好きになってよかったと、心から思います。』
そして、
こんなに愛されることが嬉しかった。
私だけじゃなかった。
何年経っても、好きでよかった。
『…………廉が今度来た時に、伝えたください』
『ーーーーーーーー』
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作者名：yuma | 作成日時：2021年3月2日 0時
