24 ページ24
・
『……ちゃんと、覚えてる、だけど』
廉「言わんでいいよ」
『………………』
廉「わかってるから。わかってる、俺じゃ無理やんな(笑)」
また、寂しそうに俯いた。
廉「ごめん、ダメ元ってゆーか、ちゃんと振られとこぉ、と思ってん。」
廉「あのとき、傷つけてごめんね。ほんま、ガキやった。」
廉「あと、また会えてよかったわ。」
『……………っ、』
勝手に終わらせようとしないでよ、
なんで加害者になろうとしているの？
なんで、なんで謝るの、
謝るのは私のほう。
ここで泣くのはダメだと思った。
だって、だって、
ここで泣いたら、私が被害者のようだもん、
違うの、私は、私は加害者なの、
愛か、嘘か、
ここで彼を愛す、
ここで彼に嘘をつく、
選択肢はふたつ、
だけど私には、後者しか選ぶ権利はないんだ。
私はこれからずっと、愛なんて捨てて
嘘で固めた世界で生きていくの。
廉のことは忘れて、
貫禄のある、優しい、あの人と幸せに。
廉「…最後に、」
廉「可愛くなったな。A。ほんまに、めっちゃ綺麗なった。また惚れ直した。」
『……………っ、、っ』
ここで泣くなんて、タブーなんだよ
しちゃいけない事なんだよ、
いけないことなの。
廉「…………どこに泣く要素あった？(笑)」
分かってるでしょ、
私が本当はあなたが好きだってこと、
だけど、母を安心させるため、
あの人のことを裏切らないため、
廉の幸せ、これからのために、
敢えて何も言えなかったことも、
涙の意味も。全部、わかってるんだよね
『全部、わかってる…くせに、っ、ばかぁっ、』
廉「……ん、ごめん」
『謝んないで、謝んないで…悪いのは、私、………本当に、ごめんなさい、待てなくて、傷つけて、そうやって悲しい顔させて、』
『廉も、すっごくかっこよくなったね。』
本当は、私も惚れ直したよって、そう言いたかった、
その胸に飛び込んで、大好き、なんて叫びたかった
ずっと一緒に居てって。
あなたとなら、どんな辛いことも乗り越えられる気がしたんだ、だけど
『…嫌なら、殴って拒否して。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuma | 作成日時：2021年3月2日 0時
