Love or Lies (ページ22)

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無視だ、無視。無視無視、

こーゆーときは、無視するんだよ、
聞こえてませんでした、え、誰ですか？
そんな感じで。

『…………………』

返事なんてせず、下を向いた。
バレないように、
いやいや、私じゃないです、と。

廉「ちょ、まってって。」

後ろからギュッと私の腕を掴んだ

『…………痛いです』

廉「…ごめん、けど離されへん」

『ていうか、誰ですか』

廉「………………は？」

『あ、さっきの衣装の方ですね、なにか御用ですか、？』

廉「……………お前、マジでゆってんの」

『………………なんですか？』

廉「………俺の事、覚えてないん」

覚えてないわけないじゃん。
1日も、あなたのことを忘れる日なんてなかったよ。

天気がいいと、今日は外に出てるかな？
相変わらずゲームしてるかな？とか、

冷蔵庫の中身が減るにつれて
ちゃんとご飯食べてるかな、出前とかばっかりで不規則じゃないかな、って。

ちょっとした一日の中で、
この何年もずっとあなたを思い続けてるんだよ。

『…覚えてないも何も、今日初対面ですよ、誰と間違ってるんですか？』

ここまできつく言えば、
もーええわ、人違いやったわ、なんて言うと思ったんだ。

廉「俺の好きな人。」

『………えっ、』

信じられなかった。
好きな人、彼は確かにそう言った。

廉「あ、引っかかった」

『………………あ、』

廉「…久しぶり。」

『…………………ひさし、ぶり』

動いてはいけないなにかが、動き出した音がした。