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『…今更、来られても…』
田中くんが「誰か校門で待ってるよ？」
なんて言ってきたから急いで行ったら、そこに居たのは廉くんだった。
廉「…ほんまに、ごめん」
『…場所変えよう』
とぼとぼと歩く帰り道。
ちょっとだけ変装して、私服姿の彼と
制服姿の私、
チロチロと、周りの人が見ている。
廉「…ほんまにごめん」
『いや…別にもう気にしてない、ていうか終わったことだと思ってる』
廉「…………ほんまに、？」
遅かれ早かれ、こんな日は来ると思ってた
衝突して、そのままどうでも良くなってしまう、そんな日。
だからそれがこの前だっただけで。
『…うん、だからもう私の事なんて気にしないで』
廉「…いや、あれはさぁ、その、ごめん、けどほんまはそんなこと思ってなくて、」
『廉くんは、芸能人。それもあのジャニーズで立派な人』
『私は、ただの高校生』
『廉くんの夢を壊すようなことしたくない。そんなことするんだったら、廉くんから離れた方がいい』
『ずっと思ってたことだからいいの、いつか離れないといけない日がくるし、それに備えてなきゃいけないことも。だから喧嘩したまんまで良かったんじゃないかな』
廉「なにそれ」
『そのまんまだよ、ちょうど良かったじゃん、東京いったら離れ離れになっちゃうんだし、仕方ないよ』
全部嘘だ。
本当は一緒に居たいよ、ずっとずっと。
だけど、もっと大きくなっていく彼の将来に、
『…私はいらないよ。』
廉「俺の意見はなし？」
『好きだって思ってくれてても、私はもう好きじゃないし、遠距離になってまで付き合ってる必要なんてないよ。』
沢山傷つけた、
だからもう、許して。離して、私のことを嫌いになって嘲笑って、罵って、もう消えてしまえ、なんて言ってよ。
そしたら私、もう忘れるから。
もうあなたのことなんて、
廉「……それでも、変わらず好きやから。ずっと。寂しくなったら会いに来る。1時間でもいいから会いに来る。毎日電話だって出る。それくらい、好き。」
『………っ』
廉「…………んふふ、なにゆうてんて感じやな。」
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作者名：yuma | 作成日時：2021年3月2日 0時
