これって運命でしょ？ 4

180 ページ30

.



....爽やかな笑顔に騙された。




あれは表面上で




実はめっちゃ嫉妬してたらしい。




同じ職場だから、




ってユンギは部署違うけど




話すのは仕方ないと思っても




自分は接しないように我慢してるのに
みんなずるい、っていうのが
テヒョンの言い分。




「Aちゃん....」


「....」


「ごめんなさい....もうしないから、」


「....」


「Aちゃぁん....」


「、」




ついその気になっちゃった私も私だけど




結局勢いのまま




玄関でヤッちゃったのよね....。




....しかも立ったまま。




まあ刺激が強いのなんのって、




....ってそんな事はいいのよ。




なんで私がテヒョンを無視してるかって、




一回で終わり！って強く言ったにも関わらず




もう一回を強行したから。




しかも、玄関上がってすぐの廊下に
押し倒されて。




もちろん靴も履いたまま。




どっかのAVですか、って。




....や、観た事ないから知らないけど。




でもそのせいで、背中が痛くてしょうがない。




ホントにもう。




「....ごめんなさい。
もうしないからこっち向いて....？」




悪いけど....そればっかりは信じられない。




「Aちゃん....」


「....」




でもなんか、そろそろ可哀想になって来た。




別に怒ってる訳じゃないけど




こうやって態度で示さないと
わかってもらえないから。




ていうか、堪(こた)えてくれないから。




だから




心を鬼にして黙々とごはん作ってるんだけど




後ろから漂って来るシャンプーの香りに




さっきから振り向きたい衝動と闘ってる。




「....だって好きなんだもん、」


「....っ、」




なのにテヒョンてば




後ろからハグして来た。




するっと私のおなかに腕を回して、




緩ーく、そっと。




「Aちゃん、大好き....」


「、」




....どうしよう。




予想外の出来事に対処出来ない。




「....危ないから、」


「あ....Aちゃんが喋った、」




....喋るよ。




「ねえ、お願い。こっち向いて....？」




向きたいんだけど




必要以上に無視しちゃったから




非常に向きづらい....。




「Aちゃん....？」


「っ、」




だから耳はやめてってば....！




「くすぐったい....？」





....気付かれた。







これって、








「こっち向いてくれないと、
耳いじめちゃうよ....？」









....嫌な予感的中。





.

181→←179

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す