これって運命でしょ？ 4

162 ページ12

.



「って事で話終わり。
久しぶりにキスでもする....？ 笑」


「え」


「冗談だよ、バカ。笑」


「変な冗談言わないでよバカ....っ！」




不覚にもドキっとしちゃったでしょ....！




「....なーんてな、」


「え...？」




ちょっと待って何がどうなったらこんな、




ていうか油断してた私が悪いんだけど




あっという間に後頭部引き寄せられて




....唇が重なっちゃってる。




ユンギの....唇と。




「....ん、」


「...っ」




....やば。




思わず声漏れちゃった....。




「....っなんで逃げねぇの？」




....なんでだろ。




「勘違いさせんなよ、」


「っ、」




悠長に考えてる場合じゃなかった。




さっきまで緩く包まれてた唇は
しっとりと合わさって




....どんどん深くなっていく。




ほんの少しの隙間から入って来た舌に
あっという間に絡め取られると




なぜだかそれに応えてる....私の舌。




....どうして逃げないんだろ。




....どうして突き飛ばさないの？




今の彼氏は....テヒョンなのに。




「お前....っ反則、だろ」


「....っ、」




離れたとは言え




至近距離で見つめられて




何か言わなくちゃいけないのに




....言葉が出て来ない。




「アイツと、上手く行ってんだろ....？」




....当たり前でしょ。




「....なんで俺とキスすんだよ、」




そんなの




....ユンギがして来たんじゃん。




「....帰る」


「おい...A、」




緩んだユンギの手を振り解いて




非常階段のドアノブに手を掛けた。




「っ」


「....待てよ、」





なのにその手を掴まれて




ドアを開ける事も出来ない。




「....離してよ、」


「....やだね」


「ユンギ、」


「だいたい、アイツの事本気な訳....？」




本気に決まってるでしょ....？




「なに言って、」


「じゃあなんで俺の事拒否んねぇの？」


「、」


「これじゃあ....諦めたくても
踏ん切りつかねぇだろ、」





....そんな事言われても






「そんなの....わかんないよ....っ」


「A....っ、」









今度こそユンギの手を振り払って
ドアを開けた。





.

163→←161

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す