私立敵育成高等専門学校【ヒロアカ】【本編】 (ページ22)

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【五宮茜/雪兎】ページ22

午前中の授業が終わり、昼食の時間になる。
いつもなら、速攻で相棒の所に行くが完全食を持ち一人で教室を出て行く。

朝の夢のせいか、午前の授業の時もボケーっとしていた彼女。一つの木の上にジャンプで飛び乗り、食事を始める。
パクッと一口食べ、空を見上げてボーッとする。
これの繰り返し。いつもの幼稚園児のような彼女はどこに行ったのだろうか。すると少し強い風が吹いた。
ボーッとしていたのか、バランスが崩れ木の上から真っ逆さまに落ちて行く。

運が良いのか、下は芝生が生えてた為怪我は無かった。
落ちた後もそのまま動かずに、ボーッと空を見上げる彼女。もうすぐで、次の授業が始まりそうな時に勢いよく起き上がる。

「…まぁ、いっか。」

恐らく、もう既に授業が始まっていると考えたのかまた寝転がりボーッとし始める彼女。まぁ、一言で言うとサボりだ。
そのまま目を瞑り、丁度寝そうな所で誰かから声が掛けられる。

【なーにやってんの？】

姿を現したのは、彼女の“夜叉”という個性。正確には、彼女の個性ではないが。

「サボってるの、偶には良いでしょ。それに今行っても授業に集中できないし。」

目を開けて、そう答える彼女にため息をつく個性。
五宮茜は個性の制御があまりできていない為、こうして偶に彼女の意思とは関係なしに個性が発動する。
まぁ、夜叉という個性はとある理由でその頻度が高い。

【こんなに堂々とサボるあたり、ヴィランって感じね】

「…ん。」

今日現れた理由はまぁ、いつもの制御が出来ていないのと様子が違う、それと個性が持っている意思だろう。
彼女の個性の中で一番厄介なのは、夜叉かもしれない。

また、目を瞑った彼女の横にため息を吐きながら個性も寝そべる。それでいいのか。
そして、五宮茜が眠りの世界に入るとニヤッと笑う個性。
個性は彼女に近づくと、頬をつねる。

「ん…？」

不機嫌そうな顔をしながら、起き上がる彼女。個性の顔を見て、理解したのか足で蹴る。そこそこ強めにやったのか、個性は少し顔を歪め泣きまねを始める。

これの繰り返し。

何回目か分からないほどこれを繰り返すと、とうとう彼女は起こったのか腰に刺している刀を抜く。
個性はそれを見た瞬間、やらかしたというような顔をする。

【ちょっ！ストップ、ストップ！ちょっ、はぁ？！】

「…」

これは彼女のいつもと違うお昼の様子。