【刀剣乱舞】菊の花は乱れ咲く。 (ページ5)

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菊五ページ5

息絶えた、もう動くことのない肉塊を見詰める。

その塊に、瘴気が纏わりつき一瞬で腐らせた。

「......」

天窓を開け、月を眺めた。

「嗚呼、とても禍々しくて、とても雅な月でしょう。掴めそうで、掴めない。まるで、これからの運命のよう」

月へと手を伸ばす。今宵はとてもきれいな三日月であって。

其の儘、倒れるようにして眠りについた。

＊＊＊

「…んぁ？」

鳥の鳴き声で目が覚める。…可笑しいな？昨日見た本丸や庭は到底生き物がいなさそうなところだったのですが。

「…驚きましたね」

空が晴れ渡っていた。木の葉は青々と茂り、川は清く流れ、ボロボロだった本丸が新品同然のような…

とにかく、何も異常が無いような状態になったということ。

「可愛らしいですね」

私をつつくヤマドリの羽を優しく撫でる。

警戒はしていないので、気持ちよさそうに目を細め、起き上がった私の肩に乗った。

「ココ！」

「おやおや、元気ですね。仲間も戻ってきたのですか？」

「ココ…コココ！」

「ふむふむ…大抵は、ですか。お嫁さんはいるんですか？お子さんは？」

「ココ！！」

「美人なのですかそうですか！ぜひお会いしてみたいですね」

随分と感情表現が得意な山鳥さんですね。今度家族さんに会わせてください。

戯れの最中、私に影が降りかかる。

「わっ」

「！？」

「驚いたか？」

白い彼。

真っ白な鶴は美しく鳴く。