【刀剣乱舞】菊の花は乱れ咲く。 (ページ15)

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菊十五ページ15

「こんこん。こんのすけ」

「はい！何用ですか山鳥毛殿！」

あれから半年は過ぎた。何回かここに訪れたこんのすけは毛の艶も良く、本丸が立て直されている証を教えてくれる。心穏やかにいられるというものだ。

「本丸はどうですか？先日、分霊を送りましたが」

「ああ！すぐに馴染んでおられましたよ！最初のほうは審神者様を警戒しておられたのですがね！」

「それは良かった」

思わず顔が緩む。此度の審神者は心優しきものでおられたな。

「ところで...いつまでこれ以上分霊を送らないおつもりですか？」

やはりその話をするか。

「こちらにも事情というものはあります。そちらの事情に振り回されるわけにはいかないのですよ」

「...駄目ですか」

「...ええ。安全と思った本丸にしか送りません。ただでさえぶらっく本丸とやらが増えているのですから」

「諦めませんからね」

嗚呼...しつこい式神だ。

何を言おうとも私の意見は変わることを知らないのに。神は変わらない。それは変わらない性質何だ。

我等は道具でありながら、心を宿してしまったもの。使い込まれ、愛で続けられ、長きときにわたり人間に振るわれてきた。いくら心を宿したとしても、持ち主は刀しか視えない。

道具であるからこそ、人の子にふるってもらうことでしか自らに価値を見言い出せないようになってしまった。

道具であるからこそ、人の世に無関心でいられた。

道具であるからこそ、自らが血にまみれることに関心を抱かずにいられた。

道具であるからこそ...

「上杉様...貴方の後を追うことが出来ない...」

嗚呼、愛しい人の子よ...

あなた達に問う

私は...如何すれば...