きっと息をやめるまで 2【RKRN】 (ページ23)

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伊作さんたちが部屋を出て行って間もなく、どこか遠くの方からカーン、と鐘の音が聞こえてきた。

おそらくあれが授業の合図なのだろう。

少しだけ、皆は授業に間に合ったのだろうかと心配になった。

もし遅刻してしまっていたら、その原因のひとつは間違いなく私だ。

向こうが好きでここにやってきていたということもあるだろうし、「不運」なんて言っていたのもどちらかといえば「うっかり」だろうが、その元を辿れば私に行き着く。

不運なのは私。
もっと不運なのは私みたいなのを受け入れてしまった学園側。

全ては学園の門で倒れてしまった私の不用意さが招いた事態だった。

私はさっさと死ねなくなってしまったし、学園も本来ならしなくていい仕事が増え、しかもこの後死ぬ予定の人間の世話をわざわざすることになっている。

(私のせいだから、せめて迷惑はかけない…そして、私の死ぬという目的と学園側のためにも、早くここから出なきゃ…)

とりあえずは3日間、ここに居なきゃいけない方向に固まってしまっている。

3日間をここで過ごしたらすぐ出れるようにするか、もしくはそれよりも早く出れるような何か良い方法を考えなくてはいけない。

(でも、その良い方法が全く思いつかない…)

今のところ、あの手紙が何か良い方に動いてくれれば、それが1番早い解決策になるだろう。

(手紙がどうなるかを待つ間、できることは…)

それは、もし失敗した時のために別の策を考えておくこと。

(それなら、やっぱり学園を散策しておいた方が良いかもしれない)

さっきの「忍術学園の案内」という話を思い出す。

忍術学園がどういう場所なのか、人の流れはどうなのか。それを把握しておくのがやはり最善策に繋がる気がした。