検索窓
今日:14 hit、昨日:21 hit、合計:57,797 hit

14 ページ22

「伊作先輩は忍術学園で“不運大魔王”と呼ばれているくらい不運なんです。
そして保健委員会には同じく不運な忍たまが集まるので、周りからは“不運委員会”とも呼ばれていたりして…」


そこまで言うと、保健委員の皆が揃って「はあ…」と大きくため息をついた。




「っておい!落ち込んでるバヤイじゃないだろう!急ぐぞ!」




留三郎さんが困りながら叫ぶと、「はいっ!」と伊作さん以外の子たちが姿勢を正して部屋の外へと猛スピードで駆け出していく。



「俺たちも行くぞ」
「うん」


言いながらこちらにやってきた留三郎さんに、再び私の分のお盆を手渡す。



「…A、騒がしくしてしまってすまない。…その、お大事にな」
「ごめんね、Aちゃん…」

「気にしないでください」


頷く伊作さんのもとに留三郎さんが戻ると、後輩の後に続いて走り出そうとする。





急ぎ足な2人に、私は慌てて声をかけた。




「あ、あの!ありがとうございます!」





(…今の私には、お礼を伝えることしか出来ない…)




伊作さんと留三郎さんは、2人とも私にふ、と柔らかく笑うと、開けた時とは対照的に静かに障子を閉めて、あっという間に走り去ってしまった。






(なんだか、嵐のように去っていった…)

私は閉ざされた障子を眺めながら、息をついた。

10 - 1→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:忍たま , rkrn
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:加糖 雪 | 作成日時:2021年4月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。