【ペルソナ5】弱者は貫く ※番外・短編集※リクエスト募集

物語の始まり※外伝的なモノ(ちょい長め)※ ページ19

碧谷真司目線

真司:はい…はい…そうですか…

ある夫婦から依頼の電話がかかる
夫婦の息子の罪を軽減できるよう、弁護して欲しいとのこと

真司:分かりました
では週末、そちらにお伺いします
では…

受話器を戻し、手帳に予定を書き込む

真司:未成年の傷害事件か…

少年の詳細は軽く聞いた

娘のAと同じ、高校生らしい
この年で事件を起こすとは…

真司:ともあれ、弁護することに変わりはない
彼から少しでも話を聞かないとな

鞄に必要な書類とパソコンを入れ、事務室から出る

??:弁護の依頼ですか?

廊下の向こうから、友人である金扇が現れた

真司:ん?あぁそうだ
金扇:相変わらず熱心ですな、君は
真司:人の人生を守ることが、私の誇りだから
金扇:今度の依頼は?
真司:未成年の傷害事件だ
少年のご両親からの依頼でな
金扇:傷害事件…

少し考え込む金扇

真司:どうかしたか?
金扇:あ、いえ…
傷害事件となれば、相手にはお気を付けて
こういう事件は、攻撃的な人が多いですから
真司:実際会ってみてから判断するよ
それでは

そこから離れ、別の依頼をこなした





真司:…というわけで、週末から数ヶ月、家を空けることになる
妹:そう…分かったわ
Aのことは、私に任せてちょうだい
だから、兄さんは安心して、仕事頑張って
真司:いつも悪いな
本当は、父親である私があの子を守らないといけないのにな…
妹:そうだけど、ね…
あの事故で、義姉さんが亡くなった後だし…
あの子一人になってしまうと…
また辛い思いを思い出させてしまうだけだわ
真司:…私は父親失格だな

…私がいない間に、最愛の妻を事故で亡くした
しかも、愛娘のAの目の前で

私はただただ、亡くなった妻の亡骸を見て、泣くしかできなかった

Aは犯人の車のナンバーを警察に出したものの、警察はろくに調査をしてくれなかったらしい
それ以来、Aは更に人間不信になってしまった…

怒りしかなかった
遺族に対しての態度かと

そんなを思い出させないよう、一緒にいてやりたいが…
依頼がたて続けに入り、家族と過ごすことができない…

妹:…とりあえず、寝ましょう
そんなに深く考えてしまったら、体を壊すわ
真司:…あぁ、そうだな
なら、週末からよろしく頼む
妹:えぇ、任せて
真司:おやすみ
妹:お休みなさい、兄さん


…依頼が終わったら、家族との時間、考えておかないとな

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