【ペルソナ5】弱者は貫く ※番外・短編集※リクエスト募集

手当て ページ11

貴方目線

認知を使ったトリックで帰還した暁
タオルで汚れを取っていると、暁の顔には目立つほどの痣が出来ていた

A:顔の痣、酷いね…
それに腕の注射痕も…
暁:自白剤も打たれたからな…

自白剤を使うなんて…
しかも人体を傷つけて吐かさせようと暴力まで…

A:…その人達改心させないと

思わず怒りで本音を溢す

暁:A、落ち着いて
俺は大丈夫だから
A:でも…
暁:黒幕をやればアイツらも一緒に改心とさせたことになるから
A:…そうかな
暁:そうだ

暁がそう言うなら、仕方がない
改心させれば、自分が犯した罪を自覚させ、苦しめさせれるから…いいか

A:…それより、手当てしよう?
痕になる前に
暁:あぁ

救急箱からガーゼとテープを取り出し、貼り付ける

暁:いっ…!

痛みで暁は顔を歪め、触れていない患部を押さえた

A:ごめん痛かった!?
暁:いや、蹴られたところが響いたんだ…
A:何処蹴られたの?
暁:みぞおち…と、足だな…
A:湿布貼ろう、見せて
暁:あ、あぁ…

上の服を脱いで貰い、状態を見る
部分的に青紫に皮膚が染まっていた

A:酷い…
これ骨折れてるんじゃないの…?
こんなになるまで、蹴られたの…?
暁:かなり蹴られたみたいだが…あまり覚えてないな

作戦のためとはいえ、自分を犠牲にして、こんなに怪我して…

申し訳なさしかない

A:…ごめんね暁
貴方がこんな酷い目に遭っているのに、何も出来なくて…
暁:そんなことない
A達を思い出しながら、あの尋問に耐えることができた
一緒にここまで来てくれたから、俺は助かったんだ

そんなに傷ついた体と等価じゃないのに…

暁:あの、A…
A:何?
暁:あまり見られると、その…
A:…!

目の前の暁の姿を見て、状況を思い出す
上を脱がしたままにしていた

A:ご、ごめん…!もう上着ていいから!

暁から目を背けて、慌てて落とした道具を拾い、救急箱に片付ける


私にそういう恥じらいは人並みはある
思春期だし…


一瞬、暁の方から獣のような視線を感じたのは気のせいだろうか…


二人で気まずい空気を漂わせながら、佐倉さんに呼ばれるまで待った

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