【文スト】文豪さん、反応記録帳。五冊目

＊彼が一目惚れした ページ19

「こんにちは…！」

中島敦
「こんに、ち…」
依頼の為に訪れた貴女に挨拶を返そうとした彼。
挨拶は不時着。
熱が集まる耳に必死に冷めろと願いながら、ソファまで案内する彼。
「こ、こここで少々お待ちください！！！」

太宰治
「嗚呼、こんにちは」
即ナンパしだすかと思えば、いつもより冷静。
「担当を呼んでくるから、少し待ってくれ給え」
カツカツと廊下を歩くものの、貴女の笑顔が離れず色んなところにぶつかりながら進む。

国木田独歩
「……」
この人だ。雰囲気に話し方に、配偶者の条件に既に多く当てはまる。
「あ、こんにちは」
でも、外見だけでは…と思っている本人だが、何度も会ううちにどんどん惹かれる。

福沢諭吉
「嗚呼、福沢だ」
軽く自己紹介をし、社員に貴女を託す。
社長部屋でお茶を飲んでいると、ぼんやりと貴女の顔が思い浮かんで消えない。
この歳でか、？なんて一寸恥ずかしく思ってる。

江戸川乱歩
「え？」
目をまん丸にして固まる。
他の社員も見たことの無い彼の姿に、目が釘付けになる。
「僕こんなの知らないし、は？」
一目惚れした混乱状態の彼。1年後ぐらいに付き合ってる。

芥川龍之介
「失せろ」
初対面で早々、刺々しい言葉をかけられ唖然とする貴女。
自分でもこの感情がよく分からなくて、1人になりたがる。
「…この間は済まなかった」
素直に謝っちゃうぐらい惚れてる。

中原中也
「…見ねぇ顔だな、何処から来たんだよ」
赤くなりそうな顔を隠すために帽子を深く被る。
こんなのアリかよ、否、駄目だろと脳内会議が始まる。
「喫茶店でも入るか、話でも聞かせろよ」
会議の結果、絶対に自分のにしてやると、決心のつく彼。

森鴎外
「やぁ、こんにちは」
違和感のある鼓動に、必死に冷静を装う。
世間話を投げかけて、貴女の笑顔が見えると、じーっと顔を見つめる。
不思議そうな表情をする貴女に、独占欲が湧いてくる。

坂口安吾
「こんにちは」
仕事の関係で、二人で喫茶店に入ったものの、特有の気まずさは全くなく直ぐに仕事は終わる。
それは、貴女の柔らかい表情と話し方のお陰だと気づく。
お疲れ様でした、と一人で帰路についてから鞄を握る力が強くなる。

フョードル・ドストエフスキー
「………こんにちは」
少し微笑みながら言葉を発する貴女に、心の蟠りがほんの少しだけ無くなる気分になる。
「いい天気ですね」
同じように微笑み返すと、『明日も晴れるみたいですよ』と返す貴女に、自分の者だったら良いのにと静かに耽る彼。

＊普段目を隠している貴女が、目隠しを取った→←＊貴女が悪夢に魘されていた

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