No.4 ページ4
「智子と申します
不束者ですがよろしくお願い致します」
今は二人きり
夜になり旦那様の自室へと通され、改めて挨拶をする
「……………」
旦那様は私に背を向けたまま無言だ
何か話さねばと口を開く
「旦那様…その、今日は素晴らしいお式で…」
「自室に帰っていいぞ、どうせ親同士が決めた結婚や
お前も俺に気を使い、媚へつらわなくていい」
旦那様の冷たい声が耳の中へ響く
そして振り返られ、ガラス玉のような血の通っていない目で見つめられる
その、心の中まで射抜かれるような鋭い瞳で
胸が激しい音を立てるのが自分でも分かる
「あっ…申し訳ありません
差し出がましいことを致してしまって…」
それだけをなんとか絞り出し声にし
深々と頭を下げ旦那様の部屋を後にする
暗い廊下、足早に自分の部屋へと足を進める
「あぁ…何を勘違いしてやんやろ」
少しだけ、期待してしまっていた自分が、浅ましくて恥ずかしくなる
親同士が決めた結婚だが
お嫁に来た自分を旦那様が受け入れてくれるんではないかと
「こんな浅ましい娘やから…
そんな心の中を見透かされて、旦那様はあないな態度取られたんやろな
藤井家の嫁にふさわしくないと…」
目頭が熱くなってしまう
「しっかりしいや智子
今更、実家には帰られへん
これ以上旦那様に嫌われへんように頑張らな」
自分の心を奮い立たせるようにし
自室へと更に足を早める
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ぐでLove(プロフ) - 15辺りから同じ話が入ってます！ (2020年7月2日 0時) (
レス) id: cc32400ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ
| 作成日時：2020年6月9日 15時
