No.22 ページ22
御屋敷の運転手に車で街まで送って貰い二人で歩く
俺の後ろを遠慮がちに少し距離をとって歩く
はぁ…
失敗した
無意識だったとはいえ彼女に触れようとしてしまった
好きでもない男に触れられるやなんて、恐怖やったはずや
何か彼女が笑ってくれる事はないかと声をかける
「何か欲しいものはないんか
着物でも宝石でも」
「特にはなにも」
「遠慮はするな」
「遠慮はしていません
私は今の生活で十分満足してますから
これ以上旦那様に何かして貰っては、ばちが当たります」
そう言って控えめに微笑む
「そういうのは辞めろ」
俺に気を使うな
そんなつもりで発した言葉
だが彼女にはそう取れなかったようで
「あっ…すみません…
私、また旦那様にご不快な思をさせてしまいましたよね
その…あの…本当に私は今の生活を送らせて貰えて感謝してるんです
親同士が決めた結婚やのに旦那様の傍に置いてもらえてる
やから…ごめんなさい、追い出さないでください」
どんどんと小さくなる声
申し訳なさそうな表現
婚礼の日の自分を殴ってやりたくなる
あの日彼女にぶつけた冷たい言葉
それに囚われてしまって、俺に気を使い遠慮をしてしまっている
まだ十代のあどけなさの残るこの子
俺はどうしたらこの子に本当の笑顔を向けてもらえるんやろ
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ぐでLove(プロフ) - 15辺りから同じ話が入ってます！ (2020年7月2日 0時) (
レス) id: cc32400ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ
| 作成日時：2020年6月9日 15時
