恋せよ乙女壱 JW青×緑♀ (ページ3)

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No.3 ページ3

「私なんかにやって行けるんやろか…
こんな立派なお家に嫁いで」

そんな不安が、思わず口から滑り落ちてしまう

心細くないと言ったら嘘になる

でも頑張らへんと

そんな事を一人、心の中で決意をしていると後ろから声が聞こえてきた

「何1人で百面相してるねん
どうせ『私なんかで大丈夫かな』なんてくだらん事考えてるんやろ」

「シゲ…やって…」

この声の主は重岡大美

年齢は私の一つ上、私の身の回りのお世話をしてくれる為に一緒に藤井家に入ってくれた幼なじみ

子供の頃から一緒の私にとっては、お姉ちゃんみたいな人やったりする

正直、貧乏な私の実家には使用人など雇う余裕はなくて

今回のお嫁入りが突然決まって、あの藤井家にお供も付けずに、嫁に行く訳にいくまいと両親が頭を悩ませていた時

『私が一緒に行ったるよ
神ちゃんは私の大切な妹やから』

そんな事を太陽のような笑顔を見せながら言い、名乗り出てくれた

両親は申し訳ないと言いながらも、本当に感謝していた

私も申し訳なさがあったが、でもシゲが一緒に居てくれるという事に安堵した

そんなシゲが、あの時見せてくれた笑顔と変わらない明るい表情で言葉を続ける

「大丈夫やって！神ちゃんは美人でええ子やから旦那さんになる人も気に入ってくれるよ
それに、なにより私が一緒やから
シゲちゃんがおったら百人力やで」

シゲのおどけたような表情と明るい声色

「うん…ありがとう…シゲが傍におってくれて良かった」

そうシゲにお礼を述べる

少しばかり心が軽くなった気がする