格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.41 ページ40

いつもどおり、舞う

 

 

お客様の前で

 

 

 

なんや、あんだけお店が大切にしてる太客やから

 

さぞかし威張り散らした感じの、おじさんやと思っとったのに

 

 
 

 

人の良さそうな穏やかな笑みを浮かべてる

 

しかもそないに、歳もいってへん感じや

 

 

 
 

「濱田様

いつもご贔屓に、ほんまにおおきに」

 

 


 

「黃珀、久しぶりやな

相変わらず綺麗やな

さすが、この色街でも指折りの花魁や」

 

 

 


「勿体ないお言葉です

今日も楽しんでいってくださいね」

 

 


「ハハ…

謙遜なんかせんでもええで

まあ、楽しませてもらうわ」

 

 

 

 

なーんか、上辺の会話やな

 


 

なんて思ったりする

 

 

 



舞が終わり手をつき、深々と頭を下げる

 

 



「緑翠、こっちへ

濱田様にご挨拶を」

 


 

淳太くんに近くに来るよう促され

 

二人の傍に寄る

 

 


 

「初めまして濱田様

新造の緑翠言います

黃珀姐さんにつかしてもろてます

以後お見知り置きを」

 

 
 

「ほぅ…新造の緑翠な

綺麗な子やね

さすが売れっ子の黃珀についてる子やな

ほな、覚えとこな、緑翠」

 

 


 

なんや笑顔なんに

 

濱田様に見つめられて、笑いかけられると

 

 

 

お腹の底が冷える感じがする

 

 



 

流星とおる時と真反対の、この感じはなんなんやろ

 

 

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