格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.30 ページ29

表まで流星を見送り、自分の部屋に戻り、お化粧を落として、もう少し横になろうとする

 

 

流星と過ごした昨晩は楽しかったなと

 


 

思わず笑顔になってしまうくらいに

 

 


ガラッ…

 





そんな事を考えていると

 

襖の開く音がしてそちらを振り返ると

そこには淳太くんが

 

 


 

「淳太くんどうしてん？

こんなに朝早くから

お客様はもう、帰らはってん？」

 

 



「神ちゃん

昨晩はここに、藤井様が泊まったんやろ」

 



 

「…………」

 

 

 

「もう、バレへんとでも思ったんかいな

アカンやない

まだ、水揚げをしてない、神ちゃんが

お客様を自室に入れるなんか」

 

 

 

「でも、ホンマに何も無かったんやで…」

 

 

 

「分かってる

何かあったらこんなもんじゃないくらい怒ってる

まぁ、隣の間におるのは気まずかったんも分かるけどな」

 

 

 

「ホンマにごめんなさい…」

 



 

シュンとして落ち込む俺に淳太くんは優しく頭を撫でてくれる

 


 

 

「なんや、楽しかったんならええよ

神ちゃんの顔を見たら分かる

ええお人やったんやな、藤井様は」

 

 

 

「うん！

あんな、あんな！

いっぱい楽しいお話してくれて、また、お星様持って会いに来てくれるって

約束したんや」


 

 

「お星様？」

 

 

「うん！お星様」

 



 

「なんやよう、分からへんけど

神ちゃんが楽しそうなら良かったわ

でも、次は絶対にアカンよ

楼主にでも見つかったら大変なことになるのは、分かってるやろ」

 

 

「うん、分かってる

もう、こないな事はしません」

 

 

 

俺の約束を聞き

 

ほんなら俺も少し寝るわ

 

 

そんなことを言い自室へと帰っていく淳太くん

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