格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.27 ページ25

「とも…」

 

 

「流星…」

 



 

そのままゆったりと腕を引かれ

流星の腕の中に包み込まれる

 

 

 
 

「少しだけ…

ごめんな…触れないって約束したのに」

 

 



 

「うん…

黃珀姐さんには内緒やね」

 

 

 

 
 

「二人だけの内緒やな」

 

 

 

 

「俺と流星だけの内緒事」

 

 

 
 

しばらくの間二人で抱き合っていた

 

 

暖かくて

 

心地よくて

 

この温もりをシゲも淳太くんも知ってるのかなと少し思った

 

 

 

 


 

ゆったりと腕を緩められ流星と目が合う

 

 


柔らかくて甘い目と

 

 

 


 

「流星は綺麗な目をしてるな

名前はお星様やし

あっ、お星様」

 

 

 

流星から離れて引き出しをゴソゴソとする

 

 

 

 

 

「あっ、あった！

見て、流星

お星様」

 

 

 

 

この前のあっくんに貰った、金平糖を目の前に差し出す

 

 

 

 

「あぁ…金平糖やな

確かにお星様やな」

 

 

 

 

 

「流星、金平糖知ってるんやね

俺、知らへんくて

この前のお客様に貰って

綺麗くて、甘くて

俺のお気に入りのお星様やねん」

 

 

 

少しだけ不機嫌な表情をする流星

 

 

嫉妬してまうな

ともをそないに喜ばせる人がいるとか

 



小さくそんな言葉が聞こえてきた

 

 

 

 

 

「やから今度は俺が、いっぱいお星様持ってきたるな

ともの、お気に入りのお星様を

やからまた、会いに来てええかな…」

 

 

 



「うん…待ってるな

お星様が来てくれるの

金平糖やないお星様やで」


 

 


 

自分で言ってて顔に熱が集まるのが分かる

 

 


 

なんやこんなの、俺やないみたい

 

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