格子から見上げる世界 壱 青×緑 桃×赤 橙×黄

No.22 ページ20

「虐め過ぎてしまいましたね

えらいすいまへん、藤井様

ほら緑翠

お相手して差し上げ」

 

 

 

 

 

『それはええ考えや

藤井はこういう場に来るのは初めてやから

緑翠さんよろしゅう頼みます

楽しませてやってください』

 

 

 

 

淳太くんとお客様がそう言い俺と藤井さんを交互に見る

 

 

 

 

「緑翠

隣の間を使うてかまへんよ

藤井様、緑翠はまだ水揚げ前ですの

言ってる意味お分かりにならはりますよね？

無粋な殿方は嫌われますよって

見惚れるほどの子に嫌われたくはありませんでしょ」

 

 

 

 

 

柔らかく藤井さんに笑いかけている淳太くん

 

目が笑ってへんよ

 

 

 

 

 

「もう、黃珀姐さん

藤井様が驚かれますよ

そないな事言ったら」

 

 

 

 

 

「はっ、はい！

分かってます

緑翠さんに嫌われたくありませんから」

 

 

 

 

 

「なら良かったですわ

ほら緑翠」

 

 

 

 

 

 

淳太くんの言葉を合図に2人で隣の間に移る

 

 

 

お酒と料理をこちらにも用意してもらい

お酌をする

 

 

 

 

 

「改めて藤井様

緑翠いいます

まだ半人前の私ですが今日はよろしゅうお頼み申します」

 

 

 

 

 

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