【d！】メイドの仕え方は各人各様【短編集】

優しすぎるが故の性【em】 ページ6

「エーミール様、お茶をお持ちしました」

『いやぁ、いつもすみませんね』

「もう少しメイドを使ってくださってもいいのですよ？」


私はエーミールです。そして、此方の方はメイドのAさんです。
私に専属メイドさんが出来て、早2ヶ月ちょっとでしょうか。未だにメイドさんに何をお願いしていいのかわからず、気を遣わせてしまっていた。


「本日も昼からは取材ですか？」

『あ、今日はね、書庫の整理をしようと思ってて…』

「わかりました。お手伝い致しますね」


嫌な顔せず、自分から手伝ってくれると言ってくれるAさんは本当に優しくていい人だ。
けど、その言葉に私は歯切れ悪く返事をしてしまった。


『あ、えっと…その、コネシマさんが手伝ってくれるって言ってくれててな？…それで』

「成程、私は必要ないとのことでしょうか？」


それは、出過ぎた真似をしてすみませんでした。と謝られてしまう。
ち、違う…！そうじゃなくってやな…！！
こんなこと、メイドさんに頼んでいいんやろかとと思って……。


『ご、ごめん…』

「どうしてエーミール様がお謝りになられるのですか？」

『俺、もうちょっとちゃんとせんとなぁ…』

「エーミール様はエーミール様です。無理に自分を変える必要はありませんよ」


では、お仕事の続き頑張ってくださいね、と言い残して、Aさんは部屋を出ていきはった。


『…どないしたらええんやろか』


椅子に座り、記事を書きながら考える。
他のメンバーはメイドさんとどうやってコミュニケーションを取ってはるんやろ…。
ゾムさんとかに聞けばわかるやろか…


zm「エーミールー！！」


私の声を聞いていたかのように、現れるゾムさん。


『丁度良かった。ゾムさんに聞きたいことがあったんですよ』

zm「ん？」


あれっ、相談相手間違ったかな、そう感じるのは遠くない私の未来の話。

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