【d！】メイドの仕え方は各人各様【短編集】

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ut「Aちゃーん、だずげでぇ…！」

『鬱様…ど、どうかなさいましたか？』


部屋に戻るや否や、私の腰あたりに抱きついてきている此方は鬱様。私のご主人様です。
初めは真面目でお優しい方だと思っていたのですが、最近ではずっとこの調子で…


ut「しょっぴくんとちーのが来てもおらん言うといて！！」

『は、はい…』


そう言い残すと、素早くクローゼットの中に身を隠す。
その数分後に彼らはやって来た。


ci「失礼しまーす、あれ、メイドさんじゃん。大先生見ませんでした？」

『見ておりませんよ』


ニコリと平然を装いながら返してみるものの、自分でも認めるほど嘘が苦手。
どうかバレないといいのですが…


ci「ふーん…見てないんだったら仕方ないな！ショッピくん」

shp「え？……そっすね！見てないんやったらしゃーないな！」


2人は諦めたように、じゃっ、お邪魔しました、とニコニコとしながら出ていった。
バタンとドアがしまった音を確認したのか、鬱様がクローゼットから出てくる。


ut「_____ったな」

『？なんと…』

ut「あぁ、気にせんでええよ！それにしてもほんま助かったわぁ。ありがとう」

『いえ、お役に立てて光栄です』

ut「ええ子すぎひん？俺心痛むわ…」

『…そんなことはありませんよ』


これはお世辞でもなんでもない。
本当のことだから…


ut「Aちゃん、そろそろ僕と付き合ってみぃひん？」


そうして息をするように私に告白のようなものをしてくる鬱様。
それは誰にでも言っていて、私にだけ向けた言葉ではない。
心のこもっていない嘘の告白を、私はお気持だけ頂いておきますね、と断る。



鬱様

どうしたら貴方のように嘘が得意になりますか？

優しすぎるが故の性【em】→←クズ×善人=通信エラー【ut】

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