【d！】メイドの仕え方は各人各様【短編集】

敵を騙すにはまず味方から【ci】 ページ25

彼女は、俺に助けられたと思っている。
だからこんなにも優しくしてくれるんや…。



…俺が、騙してたなんて知ったら


__どうなるんやろなぁ



_____



『A、どう？もう慣れた？』

「チーノくん！ここのメイド長さんが優しく教えてくれて、基本のことはできるようになったよ！」

『へぇ、すごいやん！』



彼女はA。今でこそ俺の専属メイドをしてくれているが、前はパン屋さんで働く1人の女の子。
俺が幹部になる前には、よくお世話になっていた。
けど、そのパン屋の店長であるAの父親が"阿呆"な詐欺にあった。



その詐欺から"救った"のが俺だった。



恩返しとして、身の回りの世話をしてくれるというものだから、お言葉に甘えた。




「でも、メイド長さんに、チーノ様と呼びなさいって少し怒られたばかりなんだけどね」

『急にAにチーノ様って呼ばれたら違和感しかないわ』



様呼びも気持ちええけどな、Aに呼ばれるんはなんかちゃうねん。
こんな話を前にゾムさんにしたんやったかな？わかるわって納得してくれた。



「だよね〜、私もチーノ様って呼ぶのなんかやだもん」

『お前も嫌なのかよw』

「なんか、積み上げてきた仲良し度が一気になくなる感じがするから…」



仲良し度…かぁ、彼女はたまにだがギャルゲーみたいな言葉を使う。
好感度とか、仲良し度、あたかも度数で測ってるような…、ビジネスみたいなそんな感じ。
まぁ、ただの彼女の癖で、意味は無いと思うけど、自分がこういう性格だからなにか引っかかる。



『今更急に仲悪くなることなんて、よっぽどの事がない限り無理に等しいから安心してよ』

「よっぽどってどのくらい？」

『そうだねぇ…、



Aが詐欺師じゃない限り？』


「…っぷw詐欺師ってwだったら詐欺師が詐欺師にあってチーノくんに助けられないって！」

『そんな馬鹿なヤツおらんよな〜w』

「いないいないw」





もし、詐欺師が詐欺師にハート奪われとってみ？



もう"この恋"、色んな意味でおしまいやで

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