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zm「Aー、ちょっと練習付き合って」
『えっと...サンドバック役ですか?』
どちらかと言うと、ないのはこのご主人。ゾムさんの方だ。
私はゾムさんの専属メイドをやっている。彼が様付けを嫌がるので、渋々ゾムさん。
そして、今、この人は、ただの一般メイドに近接戦の練習に付き合えと言っているのだ。
zm「ちゃ、ちゃいますやん!っていうか、お前そんなにか弱ないやろ!」
『えっ、か弱い乙女ですよ』
zm「どこがやねん」
確かに、つい熱くなると上下関係とかなしに手を出しちゃったりして、乙女要素はないけども...。
ゾムさんから見てか弱いことには間違いない。
けど、結局拒否権なんて自分にはなく、私は訓練所の真ん中に立たされることとなるのだった。
zm「さぁて、とりあえず避けてくれればいいから」
『そんな、簡単やろ?みたいな反応されてもですね.....ギャッ』
zm「んふふふ、大丈夫やって!Aならいけるいける!」
『そ、その、根拠はっ、どこにっ...あ...ヒェッ』
ゾムさんは遠慮なく私にゴム製の玩具のナイフを突きつけてくる。
避けることで精一杯な私を見て楽しんでいる様子だった。
zm「やっぱ、ええ動きすんなぁ」
おつかれ、と言って床にへばる私の隣にしゃがみこむ。
結局あの後10分間避け続け、クールタイムへと入った。
zm「...こういう時、人は流石って言うんやろ」
『...え?』
zm「努力してんのに、流石の一言で片付けられる。けど、言ってる相手は裏で、すごいなぁって褒めているっていう...」
『そうですね...』
zm「日本語って難しいなぁ」
私はふいに、隣に座るゾムさんの頭を撫でる。
急な行動に驚いた様子の彼に、こう言った。
『流石ゾムさん』
zm「...?」
『さぁ、私はどういう意味で流石ゾムさんと言ったでしょうか!』
zm「...え?」
流石、という言葉はその人がどう思うかによってそれぞれ意味が変わると思う。
私の主人は、"できて当然"みたいな意味で流石と言われてたように思ってたらしいけど...
今の私の言葉もそう聞こえてただろうか
すると、ゾムさんは私の頭に手を伸ばし、おもむろに撫で返された。
zm「流石って言葉もええもんやな」
『!...でしょ』
強いからこそ、皆ゾムさんに期待してその結果で納得してる。
けど、それに加えて皆が改めて感心してることも忘れないで。
ゾムさんはすごいなぁってね
zm「よし!休憩したし、2戦目しよか」
『...体力さすゾム。』
敵を騙すにはまず味方から【ci】→←流石なんて聞き飽きた【zm】
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雪村(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、コメントありがとうございます。emさんは1番優しい世界感を重視して書いたのでそう言って頂けて嬉しいです!ほんとですか、それは良かったです...!本当に最後までご愛読ありがとうございました。またどこかで出会えましたら嬉しいです...! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - みかげさん» みかげさん、コメントありがとうございます。わ、shoさんの作品を最高と言って貰えてとても嬉しいです!優しい心遣いもありがとうございます...!これからも楽しく投稿していきたいと思います! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
雪村(プロフ) - 伶奈さん» 怜奈さん、更新楽しみにしてくださいましてありがとうございました!それと同時に返信返せず申し訳ありませんでした。最後まで楽しんで頂けましたら幸いです…! (2021年3月22日 12時) (レス) id: 269a7df98c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - emの短編とても素敵でした!短編ちゃうなってところひとつもありませんでしたよ!これからも楽しみにしてます!頑張ってください (2021年3月20日 21時) (レス) id: 0dab1fec32 (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - shoさんの短編最高でした!!今後の作品も楽しみにしてます!作者様のペースで、で大丈夫ですので頑張って下さい!! (2021年3月20日 21時) (レス) id: 7631caac1d (このIDを非表示/違反報告)
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