【d！】メイドの仕え方は各人各様【短編集】

・ ページ14

私のご主人様は私のことを大切に思ってくれているらしい。
けれど、最近そうとは感じ取れなくなってしまった。


shp「さっき街におった子可愛かったな」


そう、ショッピ様は小さい子がお好き。
小さい子であれば誰でもきっと大切にするんだろうなと気づいてしまった。
逆にあんな小さな子と私が対等に扱われていることに少し悲しみを覚える。


『…背伸びないかなぁ』

shp「は？」


思っていたことが口に出ていたらしく、ショッピ様が反応する。私は自分の手で慌てて口を抑える。


shp「Aさっきなんて言った？」

『な、なんにもないです！』

shp「ワイの耳が正しかったら背が伸びひんかなーって聞こえたんやけど」

『聞こえてるじゃないですか！』

shp「なんで急にそんなこと言うんです？」

『…だって、私小さい子じゃないです』


大切にされる対象でもなければ、ショッピ様の好みでもない歳。
それなりには大人にも見られたい。
見た目より年下に見られるのはこの見た目のせいだ。
以前コネシマ様から聞いた話だと、牛乳を飲めば大きくなれるらしい。やってみようかな。


なんて考えている間に、ショッピ様は椅子から立ち上がり、私の前までやってきて急に脇に手を入れた。


『ふぇ…わわわっ』


そして、一瞬で私をショッピ様の目線まで持ち上げた。


shp「別にAのことどう思おうが勝手でしょ」

『でも…』

shp「でもちゃいます。俺はAのこと全部が好きで大切やからそのままでおって？」


そう強く言われたのもあり、ショッピ様の言葉の圧に負け、私は首を縦に振ることしか出来なかった。


shp「ん、いい子ですね。お願いですからいつまでもそのままでおってくださいね」


すると、ショッピ様はそっと私を下ろしてくれた。
その代わりなのか今度は頭を撫でてくる。やっぱりご主人様は私の頭を撫でるのがお好きらしい。
その時、私は下を向いていたので知らなかったことですが、ショッピ様は妖艶に笑っていたそうだ。



ーー

kn「Aー、牛乳はどうや？成長してるか？」

『コネシマ様！実はですね…、0.1mm伸びたんです！』

kn「おぉ！そうかそうか！ええやないか」


私の頭をワシャワシャと撫でてくるコネシマ様。
ショッピ様にあぁ言われたものの、少しは成長したい。なので、内緒でコネシマ様と牛乳生活をしているのです！


shp「ふーん？内緒で、ねぇ？」

『ぁ……』


この後、ご主人様の圧力で見事牛乳生活を止めさせられました。

プロフィール→←どう思おうが勝手でしょ【shp】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す